top of page
U

3種類の電子聴診器を試してみた

教育用に電子聴診器で心音を録音することに興味を持っています。

音楽の才能がない私は、わずかな雑音を聞き取ることが苦手ですし、音の高さの違いも自信がもてません。心音計が臨床の場から消えて久しいですが、電子聴診器を用いれば音の解析もできて自分自身の勉強につながると考えたのが初めでした。今までに3種類の電子聴診器を購入したため、個人的感想を綴ります。

まずは3M™ リットマン™ エレクトロニック ステソスコープ Model3200。

メリット:本体で録音できこれ一つで完結。音も良い。さすがリットマン。入手が簡単で、国内で電子聴診器と言ったらこれ。

デメリット:録音ファイルが管理困難。数個しか録音できないし、コメント入力はとっても面倒で現実的ではない。本来は3M™ Littmann® StethAssist™ Heart and Lung Sound Visualization SoftwareというソフトをダウンロードしBluetoothでデータを送信してPCで管理できるはずだが、以下の写真の通りWindows 10には対応していない。PCで管理できなくなって7年ぐらいたつと思いますが、未だに対応していないあたりはかなりのマイナスポイントです。

値段はAmazon japanで6万円。

次に私が目を付けたのはThinklabs One Digital Stethoscope。

Amanzon USAで購入できますが、税関に医師免許のコピーを提出する必要があります(同様に個人輸入するEko Digital Stethoscopeも同じ)。何も分からず購入しても税関から指示があると思いますので大丈夫です(地域差があるかも知れませんが最近はメールでのやり取りだけで大丈夫と思います)。値段は499ドル。

メリット:本体が小さい。ここにイヤホンを差し込むだけと軽量。なんかカッコいい、と私は思いました。

デメリット:イヤホンが意外にからまり、さっと出しにくい。首にイヤホンかけているのも不謹慎のように思われそうなので病棟での扱いに困る。コンパクトがゆえに扱いが雑になり、あまり使っていない段階でボタンが死んでしまった・・・。Bluetoothに対応していないのも問題で、スマフォで管理しようとすると以下のような配線になるが、実際にはコードが長いのでもっとぐちゃぐちゃになって、録音しようと思うと大掛かりになる(しかも音を聞きながら録音すると信号が半減するため音が小さくしか聞こえない)。本体内で録音できないのでこれはデメリット。安いイヤホンを付けるとIII音は聞こえない。

最近、思いついたのはBluetoothを飛ばす「Bluetooth トランスミッター」を使えばコードがすっきりするということ。本体とBluetooth トランスミッターを有線でつないで、無線(Bluetooth)でスマフォにデータを飛ばすわけです。

最近購入した最後の製品はEko Digital Stethoscope。

これはAllheartというサイトから199ドルで個人輸入可能です。

メリット:Bluetoothでスマフォ連携が可能。データ管理がPCでもでき、他の人と情報が簡単に共有できる。教育目的としてはこれは最強。他の電子聴診器と異なりアナログなスイッチで切り替えているため、電源が切れていても普通の聴診器として使用可能。

デメリット:周囲の雑音が驚くほど大きい(電源入れる前からですが電源入れると顕著)。昔の補聴器のような感じでしょうか。Littmannのような周囲の雑音を減弱させるようなシステムが入っていないのでしょう。音は大きくできますが、録音されたデータをスマフォやPCで再生すると音が小さくほとんど聴こえない。デモで入っている完璧な心音録音と全く異なるのはなぜでしょうか???

グラスウールや眼鏡ケースを利用して周囲の雑音をカットしようとしましたが難しかった。

最終的には直接耳で心音を聴くのをあきらめて、モニタリングはスマフォ経由で行い、雑音を押さえる事を最優先とし本体を魔法瓶に入れるのが最適。これは周囲の雑音をほとんどカットできた。よく見ればわかると思いますが本体はプラスチックで安っぽいため、本体部分で雑音を拾ってしまっているようでした。

でも、これではもはや何が何だか分からない代物になってしまった。ソフトは音の解析ができないもののデータの共有という点では最も優れていただけに残念。

実はEkoからはEko DUO ECG & Digital Stethoscopeという上位機種があり、本体の構造が全く異なるため、雑音軽減されているのではないかと期待しています。値段は349ドルで単誘導の心電図を同時記録できる代物。今度はこれを買おうかと考えるのは道楽が過ぎるかな?

現時点では一長一短なこれらの電子聴診器、もし自分が新しい電子聴診器を企画作成するなら、、、①Littmannの電子聴診器をリアルタイムでBluetooth接続してスマフォやPC管理できるようにする。②Thinklabs One Digital StethoscopeにBluetoothを付ける。しかも2つ同時に接続できるようにしたい。教育回診にも使えるようにBlootoothを5つぐらいに同時接続できるポケットWifiみたいな機械を別売りしたい。といったところでしょうか。

閲覧数:7,357回0件のコメント
bottom of page