問診と身体診察で機能性疾患を見抜く技術: 検査に頼らない診断力の磨き方
- Y
- 18 分前
- 読了時間: 4分
新刊です。いろいろ新しい試みが詰まっています。「調べやすく、理解しやすく、成長し続ける一冊」を目指し、今回は初めてKindleから出版いたしました。
皆様の診療のお役立て頂ければ幸いです。
「検査では異常なし」—その患者に、本当に異常はないのか?
本書は、機能性神経障害、線維筋痛症、慢性疲労症候群、心因性めまい、非てんかん性痙攣発作など、検査では異常が見つからないにもかかわらず、確かな苦痛を訴える「機能性疾患」に対して、問診と身体診察だけで診断に結びつける技術を解説した実践書です。
「心の問題でしょう」と片づけてはなりません。
診断の手がかりは、見逃されがちな“陽性の身体所見”の中にあります。
本書では、日常診療ですぐに使える診察技法を具体的に紹介し、診断後の説明の工夫、患者への安心の伝え方、理学療法・心理療法の導入まで、一貫した診療戦略として提示します。
もはや、除外診断ではありません。「この所見があるから機能性である」と言える確かな根拠が、医師にも患者にも希望をもたらすのです。
研修医・若手医師はもちろん、内科、精神科、神経内科、心療内科、救急、整形外科、リハビリ科など、あらゆる臨床家にとって必携の一冊です。
本書は、678本の参考文献をもとに全50章を構成し、400以上の図表や動画リンクを盛り込んだ、全572頁に及ぶ充実した内容です。有志の協力を得て、電子書籍として配信し、かつ価格面でも負担を抑えることで、多くの方にお届けできる形にしました。
書籍目次
第01章 機能性疾患とは?
第02章 身体診察の重要性
第03章 表情から読みとる精神状態
第04章 仕草から読み取る精神状態
第05章 どこまでが神経学的に「正常」か?
第06章 意識障害(昏睡)
第07章 カタトニア(緊張病)
第08章 認知障害・一過性健忘
第09章 筋力低下-総論
第10章 上肢の筋力低下
第11章 下肢の筋力低下
第12章 頭頸部の筋力低下
第13章 片側の眼瞼下垂
第14章 歩行障害
第15章 パーキンソン症候群
第16章 振戦
第17章 ジストニア
第18章 ミオクローヌス、チック
第19章 痙攣
第20章 一過性意識消失発作
第21章 感覚障害
第22章 視覚障害
第23章 眼球運動障害・複視
第24章 めまい
第25章 味覚障害・嗅覚障害
第26章 聴力障害
第27章 発声障害
第28章 機能性胃腸障害
第29章 咽喉頭異常感症・嚥下障害
第30章 機能性ディスペプシア
第31章 過敏性腸症候群(IBS)
第32章 機能性腹痛
第33章 便秘
第34章 咳嗽
第35章 呼吸困難
第36章 過換気症候群
第37章 誘発性喉頭閉塞症
第38章 心症状/パニック発作
第39章 くしゃみ・吃逆(しゃっくり)
第40章 尿閉
第41章 勃起障害
第42章 高体温
第43章 慢性疲労症候群
第44章 線維筋痛症
第45章 慢性腰痛症
第46章 慢性頸部痛
第47章 摂食障害
第48章 皮疹
第49章 患者説明の仕方
第50章 機能性疾患に対する治療総論
なぜKindleで出版?
紙の本は味わいがありますが、診療や学習の現場で「今すぐ知りたい」に応えるには不便な面もあります。そこで、本書はKindleでの出版を選びました。理由は次の通りです。
ポケットに入る専門書 スマホやタブレットさえあれば、病棟でも外来でも、必要な時にすぐ開けます。
即座に答えが見つかる検索機能 キーワード検索で、必要な情報や図表を一瞬で呼び出せます。
図・動画・論文への直接アクセス 本書では、論文に掲載された図や動画に直接アクセスできるリンクを設定しました。引用文献はすべてPubMedへ飛べるので、紙面だけでは得られない一次情報にすぐたどり着けます。
カラーイラストで理解を深める 複雑な診察手技や病態は、フルカラーのイラストで直感的に理解できるようにしました。紙書籍では印刷コストが高く制限されがちなカラーも、電子書籍なら追加費用なしでふんだんに使用できます。
常にアップデート可能 新しい治験結果やエビデンスが出れば、改訂版として反映できます。読者からの意見をもとに追記や改善も行い、成長し続ける一冊にしていきます。
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