胸壁症候群を「自信をもって」診療できる身体診察とエビデンス
- Y
- 22 時間前
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『高齢者診療で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス』『非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス』に続く、シリーズ最新刊のご案内です。
6/16より販売ですが、Amazonで先行販売予約受付となっています。
本書は、私のレクチャーシリーズの中でも特に反響の大きかった「胸壁症候群(腹壁疾患を含む)」に焦点を当てた一冊です。これまでにも、「胸壁症候群の、あの疾患、なんでしたっけ? どこを調べればよいのか分からず困った」という声を、何人もの先生方からいただいてきました。確かに、胸壁症候群を主題として扱った書籍はこれまで少なく、そのニーズに応えるべく、今回の刊行に至りました。
本書のモットーは、「とにかく手に取りやすく」。1疾患あたり1ページ、長くても見開き2ページに収め、忙しい外来診療の合間にもサッと見直せる構成としました。必要なときにすぐ活用できる、現場に寄り添った書籍です。
そもそも本書の企画は、ある救急外来でのやりとりがきっかけでした。「検査はすべて正常なので、心臓の病気ではありません。ですから、大丈夫ですよ。」そう伝えられた患者さんは「キョトン」とされていました。検査が正常であれば「大丈夫」なのはなぜ?では、この胸の苦しみの原因は?どうして誰もそれを説明してくれないの?——そんな疑問や不安を抱えたまま、患者さんは再び救急外来を訪れるようになったのです。
少し経験のある医師なら、「骨や筋肉、つまり整形外科的な痛みでしょう」と説明するかもしれません。しかし、それもまた十分な説明とは言えません。「整形外科的な痛み」や「胸壁症候群」という言葉は、あくまで“ゴミ箱診断”にとどまりがちです。「内臓の病気です」と言わないのと同じように、「胸壁症候群」とだけ伝えることでは、患者さんの納得にはつながりません。
このシリーズを通して私が伝えたいのは、「丁寧な診察こそが、的確な診断に至る最も速く確実な道である」という揺るぎないメッセージです。
診察の力を、ぜひ本書で味わっていただければ幸いです。
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