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献本御礼:臨床疑問を解決するPoint-of-Care 超音波


 この書籍は、非常に臨床的だ。多くの超音波画像を紹介するだけの書籍ではない。

まずは「症例」を提示し、目の前の患者の問題点を考える。「文献レビュー」で全体像を理解する。このレビューだけでも疾患の病態から、超音波検査の位置づけや、診療上の注意点までが上手くまとめられている。

 「描出方法」では超音波検査をどのように行うかが事細かに書かれている。一度はこの部分を読みながら、超音波の機器を操作するのが良い。その方が技術向上に役立つだろう。

 「臨床への適用」では、より実践的な内容が記載され、臨床医にとって読みごたえのある教本となっている。特に全ての章にはアルゴリズムが掲載されており、頭の中の整理に役立ち、忙しい日常診療の合間に紐解くだけでも理解できるような工夫がされている。何よりも章末の「クリニカルパールとピットフォール」は秀逸である。


そのリンパ節腫脹は良性か?、気胸があるかどうか、肺炎があるかどうか、腸閉塞があるかどうか、腸重積はどうか? 腱板断裂は? 骨折は? 腱傷害は? 結晶性関節炎は? 手根管症候群か? これらのすべてに応えてくれるPOCUSをやらない手はない。プライマリケア領域で、救急現場で、病棟でプローベを片手に活躍したい人におすすめの一冊といえよう。

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