Efficacy of an Adjuvanted Herpes Zoster
Subunit Vaccine in Older Adults
N Engl J Med 2015;372:2087-96.
A. この試験の結果は信頼できるか?
1. その試験は焦点が明確な課題設定がされていたか
研究対象者: 50歳以上の水痘罹患歴のある、免疫状態が正常の人
〈inclusion criteria〉
・ 妊娠が不可能な女性(卵管結紮術を施行している人、子宮摘出術、卵巣摘出術、閉経している人)
・ 妊娠が可能な女性を参加させる場合はワクチンを施行する30日前に妊娠反応テストが陰性であることを確認した上で二ヶ月間の治療が終了するまで避妊することに同意した人のみ。
〈除外基準〉
・ 治験薬、このワクチン以外の登録されていない医薬品をワクチンを最初に投与する30日前以降に使用した人、研究対象期間に使用する予定のある人
・ 他の臨床試験に既に参加している人
・ 基礎疾患または免疫抑制薬を使用しているせいで免疫不全状態である、または免疫不全が疑われる人
・ 帯状疱疹の既往がある人
・ 帯状疱疹に対するワクチンを既にうったことがある人
・ ワクチンで免疫学的な副反応が起きたことがある人
・ 調査者の間でこの研究は避けた方が良いだろうという意見のある基礎疾患がある人
・ 研究に参加する90日以内にグロブリン製剤、または輸血製剤を使用している人、また使用する予定がある人
・ 他の予防接種を最初、また二回目のワクチン接種の30日前に受けている人、また二回目のワクチン接種後30日以内に受ける予定のある人。ただし登録されているワクチンを接種する場合は8日前、または14日後でもよい
・ その他調査者が研究結果に影響を及ぼす可能性があると考える病態
・ 急性期の疾患に罹患している人、または参加時に熱がある人
・ 免疫抑制薬を慢性的に常用している人、最初のワクチンをうつ前の6ヶ月間に免疫抑制薬を使用した人
・ 妊娠している人、授乳中の人
・ 妊娠使用としている人、避妊薬をやめようとしている人
介入: Herpes Zoster Vaccine GSK1437173A(以下HZ/su)またはプラセボの0.9%生食、0.5mlを三角筋に0、2ヶ月に一回ずつ注射する。
評価基準:
primary
The primary objective of the study was to evalu- ate overall vaccine efficacy in reducing the risk of herpes zoster, as compared with placebo, in adults who were 50 years of age or older.
発症の減少率.ただし,modified vaccinated cohort
帯状疱疹の発症も定義されている.
臨床情報があった患者を疑いとする.
PCRで確認.cut offは, 10 copies/reaction.
PCR negative, β-actin negativeであれば,陰性と判断.
β-actinもnegativeであれば,committieeで決定.
secondary
予防率 in total vaccinated cohort
安全性、副反応
安全性に関しては注射から7日間の間、局所の副反応(発赤、腫脹、疼痛)、全身の副反応(全身倦怠感、発熱、消化管症状、頭痛、筋肉痛、悪寒戦慄)の有無について記載してもらい評価する。
患者を70歳以上の患者と50歳-69歳に層別化.
局所の副反応は0-3の4段階に分けて記載しもらっている
全身の副反応に関しては30日間記載してもらう
深刻な副反応が起きた場合は二回目にうった後から12ヶ月後
2. その試験は課題に答えるための研究方法がとられていたか?
Randomized placebo-control
Double blind?, doctorに関して記載無し.
地味にplaceboと見分けがついてしまうため,study staffが接種.彼らは評価に関与しない.
multi centeres
3. 割り付け
1:1にランダムにコンピューターを使用し割り付けされている
4.盲検化されているか
double blind(patiens,investigator,outcomes asessor)
* ワクチンの見た目が違うため、準備や施行は評価に関係のないスタッフが行っている。医者はわかっているという設定のよう。
5.追跡
primaryは,modified vaccinated cohort.
total vaccinated cohortも行っていはいる.
6.その他の治療に差がなかったか 記載なし
他のワクチンは打たない様に言われている.
7.サンプルサイズ、検出力は記載なし
8.結果
modified vaccinated cohortでは,有効率は97.2%で,有意.
その他のtotal vaccinated cohortや,subgroup analysisでも同様の結果.
副反応7日以内の副反応の発生率はワクチン接種した人で多くみられた。30日間の副反応の発生率には差がなかった.
読んでみて.
この不活化ワクチンが,現在,免疫不全患者においても行われているらしい.
免疫不全患者でなければ,とりあえず生ワクチンでいいが,それすらあまり行われていない状況.ただ,Varivaxは,有効率が50%程度.
Varivaxは,70歳以上で有効率
使用できるようになったら,考慮してもよいかもしれない.
去年10月から小児は,定期接種になっている.