Denosumab and teriparatide transitions in postmenopausal osteoporosis (the DATA-Switch study): extension of a randomised controlled trial
Lancet 2015; 386: 1147–55
高すぎて使う気が起こらない薬の話.
P: Patients
patient(患者)/患者の特徴/除外した患者の条件
45才以上の閉経後の女性、最終月経から最低36ヶ月後で、高い骨折リスクを伴う患者。
Ca, Vit.D以外の骨粗鬆症の薬剤は使用していない.ビスフォスは最低6ヶ月は投与されていない.
大きな骨折危険とは、
脊柱、股関節または大腿骨頸部の骨塩密度がTスコア≤–2.5
Tスコア≤–2.0で、少なくとも1つの骨塩密度独立危険因子を持っている(50歳以後の骨折、50歳以後の家族性の股関節骨折、以前からの甲状腺機能亢進症、椅子から腕をあげることができない、または現在の喫煙歴)
Tスコア≤–1.0でを骨折の既往がある
I: Intervention
テリパラチド→denosumab(テリパラチドからdenosumab移行グループ)
denosumab→テリパラチド(denosumabからテリパラチド移行グループ)
併用→denosumab単独(denosumab・テリパラチド組合せグループ)
O: Outcomes
主要なエンドポイント:椎体骨塩密度の変化
第二のエンドポイント:骨盤、大腿骨頸部と橈骨骨塩密度の変化、血清osteocalcin(骨形成マーカー)とC-テロペプチド(骨吸収マーカー)濃度の変化
1:1:1になるようにcomputerで割付けされた
年齢と,ビスフォスの使用でstratify
解析者は目隠し
modified ITT
Results
併用群が基本的には骨密度高かったが,switchにおいては,デノスマブ-->テリパラチドがいまいち.
ビスフォスの後にテリパラチド投与しても効果が小さくなるとの同じ機序かもねと書かれたりしていました.
副作用
デノスマブ→テリパラチド群の1例で、治療に関連すると思われた腎結石が認められた。それ以外の副作用は治療とは無関係とされた。
読んでみて.
高すぎるので使う気がしない.
DATA studyでは,単独群同士の比較では有意差が出ていない.
ビスフォスとの比較でもない.
テリパラチド先に使わせて儲けよう的魂胆が気になる.
この後更に2年追跡したら追いついたりしないだろうか?長期投与はそれはそれで弊害もありそうだが.
そもそも,骨吸収抑制薬による骨密度の上昇と骨折に強い相関があるわけでもなく(逆に言えば相関がある程度あるわけだが),
primary outcomeが骨折でない以上,なんとも言えない.
テリパラチドは過去に1例使ったことがあるが,圧迫骨折メインでステロイドも減らせず,やむにやまれずという感じ.
どんどん薬が高くなっている.嫌な時代だなぁ.