Increased mortality associated with weekend hospital admission: a case for expanded seven day services?
BMJ 2015;351:h4596 doi: 10.
RCTでもなんでもないのですが,僕の番なので,また好き勝手なことをしてみました.
過去にも幾つか,週末入院の死亡率が増加することを証明したstudyはあります.それの再確認です.
NHS(イギリスの皆保険のようなもの)の病院において週末入院が予後を変えるかというもの.
NHSは競争力の低下を来し,質の悪い医療を提供しているというスキャンダルになったり,法律も変わったりしたようですが,真逆のアメリカでも同様のことが確かめられているので,日本でもおそらくそうなのでしょう.
一年間の1400万件の入院と30万の死亡が統計に組み込まれました.
当然,土日に来る患者さんは,平日我慢していて,とうとうやって来た人がいたり,逆に月曜日まで待とうと思うも無理で来たりと,重症患者の割合が多いです.
5段階に分けたものでは,リスクが最も高い群の割合が平日入院患者では20%以下なのに,土曜日入院で24.6%, 日曜日入院で29.2%にのぼっていました.
疾患分布はこんな感じ.
心臓と呼吸器と癌が多いですね.
土日入院は死亡率が増加していました.10%程度の増加.
月曜日や金曜日入院も増加傾向です.
癌と心臓に絞るとこんな感じ.
もともと重症患者が多いので,死亡率が増加したという考え方ができるので,入院後3日以内に死亡した患者を除いても,やはり土日入院患者の,死亡が増加していた様です.
一種の感度分析みたいなもんですかね.
ちなみに入院患者が,土日をまたいだからといって死亡率は増加していません.
正直なところ,使用したモデルがよくわからなかったりするのです(著書はbiostatの教授です)が,結論としては重症患者が多く来ることを考慮したとしても,土日入院患者の死亡は多い様です.
どうしようもないのかもしれませんが,土日は若いDrが多く,その他コメディカルも少なく,一方で上級医が少ないといったエビデンスもあり,イギリスの各学会は週末の医療のあり方,特に救急医療のあり方を見直す様に言っている様です.
コンビニのように24時間営業するしかないのでしょうか.それでも構いませんが,医療費はどんどん上がるでしょうね.マンパワーももっと必要になります.単純に1.4倍.
人件費を節約している日本ですら医療費は,とうとう40兆円に達してしまいました.
この辺に関してはいろいろ言いたいことは,ありますが...
不可能でしょうが,同じ給料でいかにわからないように働かせるかという経営者目線だと,費用を変えずに目標を達成するには,京都のような病院がたくさんあるところなら,病院ごとで休みをずらしてしまえば良いんでしょうね.