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Xa阻害薬拮抗薬は,本当に有効?

Andexanet Alfa for the Reversal of Factor Xa Inhibitor Activity

N Engl J Med 2015; 373:2413-2424

Xa阻害薬の阻害薬にここまでする必要があるのかは何ともですが,効果があるであろうという第III相試験.

開発元のPortola, Xa阻害薬開発元のPfizer, Bristol-Myers, Bayer, Johnson and Johnsonからガッツリお金もらってやっています.

Foscarnetみたいな雰囲気だしてますが,人間にあるXaの構造を変えた生物学的製剤です.

要するに異質な糖タンパク質です.偽Xaを投与することで,デコイとしてXa阻害薬を無力化しようという発想です.

正確な分子量は分かりませんが,X因子が分子量35000程度なので,まずまずの大きさです.インフリキシマブなんかのキメラ抗体に比べれば小さいですが,免疫原性を持つには十分な大きさです.

Double blined placebo-contorol

Patient/ Intervention:

2つの試験をまとめたもの.健常人を集めてきて,アピキサバン(エリキュース)5mg bidとリーバロキサバン(イグザレルト)20mg QDをそれぞれ投与して,andexanetをbolus/ bolus + continuous ivしたもの.

アピキサバンではandexanetの投与量が400mg/ 480mg, リーバロキサバンでは800mg/ 960mg.

第II相試験でリーバロキサバンの方が,分布容積の関係で必要量が多くなったということです.controlはplacebo.

Ouctomes:

Primary outcome: Xa阻害活性の変化.

Secondary outcomes: Xa阻害活性の80%以上の低下した患者の割合.非結合性の阻害薬濃度変化,トロンビン産生量,内因性トロンビン活性の変化など.

Safty outcomeも見ている.

割り付けはweb-basedでrandom.

もともと健常人なので,背景に差もなければ,他の治療ももちろんなし.

Results

Xa阻害薬の活性

阻害薬の活性は,andexanet投与直後から減少しているが,おおよそ投与終了後2時間で元に戻る

内因性トロンビン活性

似たような結果.

非結合性のXa阻害薬濃度

似たような結果であるが,リバウンドしている印象がある.

副作用

nが少ないので有意差はもちろんないが,生物学的製剤に見られやすいflushingがまぁまぁ多い.蕁麻疹は2例だけ.

なぜか表には記載されていないが,中和抗体は産生されなかったものの,中和ではない抗andexanet抗体が2% vs 17%で明らかに多かった

投与後のプロトロンビンフラグメント,D-dimerの濃度.

液相においては,凝固系は亢進していると考えられる.

凝固するまでの時間.

ACTは実際のところ,短縮している.投与終了後,数時間で元に戻る.

結局のところ,健常者対象なのでなんとも言えない.本当にどうしようもない時に投与するのは有りかもしれないが,恐らくとんでもない値段だし,直ぐに元に戻るし,少なくともワーファリンの時のようなVit. Kのような感覚で投与するわけにはいかない.

何度も投与すると抗体ができるかもしれない.

トロンビン阻害薬なんかは,モノクローナル抗体とかもあるけれど,

現実的に,総合診療科で使うことはない薬だろう.

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