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意外と末梢からカテコラミンは投与できる.

A systematic review of extravasation and local tissue injury from administration of vasopressors through peripheral intravenous catheters and central venous catheters

Journal of Critical Care 30 (2015) 653.e9–653.e17

当科では,CVを入れずに結構粘ることが多いですが,末梢でも意外と大丈夫かもという論文です.とは言え,systematic reviewしただけのこの論文ではなんとも言えません.

P: あらゆるstudy( case reports, case series, observational cohorts, RCT)が入る.

18歳以上,CPA以外の患者でカテコラミンを経静脈的に投与された患者

Intervention: ドパミンなどのカテコラミンを末梢ルートから投与.

Comparison: CV lineから投与.

Outcomes: 副作用(いろいろ書いてあるが,組織壊死,皮膚壊死,点滴漏れあたりが重要)

文献検索

Medline, Embase, Cochraneから検索.

言語制限は設けていない.必要なら,authorに連絡はとっている.

本文中には,検索式や,hand searchなどの記載ないが,appendixには書いているかも知れない.今回はめんどくさいのでそっちは見ていない.

2人の研究者が別々に質を評価し,不一致は相談で決定.κ値も出している.

結局,heterogeneityが酷いのでmeta-analysisはしていない.

結果も,まとめて表記するだけ.

オッズ比もp値も無し.

結果

論文が85個集まった. いるかわからないがκ値=0.773

いいのはいいが,だから何という感じ.

小さくて見にくいが,ざっくり言えば,

副作用報告は末梢投与の方が多い.

NADの使用が多い.

より末梢(前腕,下腿)の方が,副作用報告が多い.

後遺症を残すものも,数%ある.末梢投与の方が報告多い.

全体的に投与量が多い.

投与時間は,こんな感じ.

6時間以内なら全然問題ないんじゃないかと思わなくはないが,

本文では,近位部かつ,2時間以内(どこから出てきた数字か不明)なら末梢投与可との結論.

出版バイアスとか考えると,これだけでは何とも...

RCTだけ(Crit Care Med 2013; 41:2108–2115)取り出すと,有意に末梢投与の方が合併症が多かったとなっている.

ただし,その殆どが末梢ルートが取るの難しくなったという臨床的に重要でないと思われるものを含んでおり,有意差がついたのは,それを含んだcomposite outcome.

感染も末梢の方が多かったということになっているが,CRBSIやよくわからないbacteremiaはCVからの投与の方が多い.末梢投与の感染は発赤とか局所的なものばかり

ということで,いままで通り末梢で粘ってだめになったら,あるいは指先とか足先でしか取れないなら無理せずCV入れる.くらいが妥当.

ただ,粘りすぎると後期研修医にCV入れる練習させる機会が減る...

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