腫瘍マーカーに救われることはほとんどありませんが、腫瘍マーカーのせいで惑わされることはよく聞きます。今回もそういったケース。もともとLK術後の良性の上肺野空洞性病変がありCYFRA 7ng/mlとちょっと高い。
CYFRAは扁平上皮癌の腫瘍マーカーですが、肺の良性疾患でも高くなります。特に今回のように空洞性病変があると良性疾患でも8.3ng/mlまで高くなりえます。一方、空洞を伴う肺癌では10ng/ml以上が多いので、空洞あればカットオフ10というのが覚えやすいと思います。
Lung Cancer. 2000 Dec;30(3):187-92.
ちなみにCA19-9も肺の良性疾患で高くなることは有名ですので覚えておきましょう。