呼吸器学会雑誌に掲載されました。日本の学会誌は掲載まで時間が長いのが問題ですが、無事掲載されてよかったです。
症例は40歳代,男性.35歳時にサルコイドーシスの診断を受けていたが,半年の経過で増悪する労作時の呼吸困難を主訴に受診した.
著明な低酸素血症を認め人工呼吸器管理としました.
肺高血圧を伴うサルコイドーシスの増悪による呼吸不全と判断し,ステロイドの投与を行い呼吸状態の著明な改善を認めた.
サルコイドーシスで,人工呼吸器管理を必要とする高度な呼吸不全の報告は非常に少ないです.本症例からは,肺高血圧に比して肺線維症が軽微であれば,急性で重篤な呼吸不全であってもステロイドが有効であることが示唆されました。これは肺静脈圧排が関与したのかなど推測されましたが、学術的に深い咨嗟を与えてくれる症例でした。