私はめまいの5Dと、HINTS plusの話をしました。
5Dとは脳幹の5DのうちDizzinessを除いた4つ、 Dysphagia Dysarthria Diplopia (Double vision) Dysesthesia に Dutsu(頭痛) を加えたもので、これらがあれば中枢性めまいを疑います。
身体診察では三つ 1.歩けない幻暈は帰さない 2.眼の診察ではHIT、方向交代性眼振、斜偏倚を確認する。 3.蝸牛症状あれば要注意 という内容です。
さて、今回は4人の演者が参加しましたので沢山学んで帰れました。
横浜市立みなと赤十字病院 めまい平衡神経科 新井 基洋 先生のめまいの診療テクニック めまいの診察 実践版。 めまいを専門にしている先生ですので非常に勉強になりました。 何しろ、分かりやすい。プレゼンテーションが上手で一気に引き込まれました。 BPPV:耳石の大きさは0.03㎜が1万粒。沢山あるのですね。それが塊になっているそうです。耳石置換法しても、ちょっと眼振残ることがあるので納得です。 指を使って三半規管をイメージ。水平は起こっても出やすいので平均7日間。後方は抜けにくいので平均15日。Epley法はみなさんご存知でしょうから割愛、、って凄いレベルの勉強会ですね。 患者会のような感じで普段から診療されておられるそうです。特集されたTV「ヒポクラテスの誓い」の映像みながら、新井先生の元にたどり着くほどの人、つまり耳石の塊のせいで、不安の塊となっている人に、患者同士で手伝い合わせ、幻暈を自分で直すと宣言させ、高齢者から行い、いかに全員に耳石置換法を完遂させるかも興味深い話でした。 クプラ結石型にはHead tilt hopping法もいいようです。ここまで難治性なことが今まで少なかったですが、次回試てみます。
次は私の恩師である中西内科の中西重清先生の症例です。 フレンチェル眼鏡を当たり前のように使いこなし、Epley法もしている呼吸器専門医です。 研修医が勉強に来ると実際に診察させたうえで本命・対抗・大穴の3つを考えさせているそうです。教育的です。救急からのプレゼンでこの3つの疾患群を言ってもらうようにしようかな・・・。 片頭痛によるめまい。これは多いけど見落とされていますよね。片頭痛の患者さんがきたら幻暈の既往を聞くことが大事です。数割ぐらいで幻暈の既往を言うので経験数が増やせます。どういった幻暈の訴えをするのか経験しておくことが大事です。乗り物酔いも聞いておきたいですね。 発症時間、発症様式、持続時間、頻度、経過、経験の6つを確認するとよい。 診察の時に家族の顔をみてどのぐらい心配しているかも、重要な情報!。 ビデオをとっておけば、診断付いた後にビデオ見直せば、何に注意すべきだったか後から振り返れる。診察風景のビデオ撮影は大事。これは実践したいが、私の外来の看護師は0.5人しかいないので現実的に無理だなぁ・・・ めまいの大穴、利尿剤による低Na血症。こういった代謝性疾患によるめまい、これはめまいの鑑別としては普段入れていませんが、めまい感・倦怠感といったときには鑑別に加えなければいけませんね。
最後に脳神経センター大田記念病院 脳神経内科 野村栄一先生の、脳神経内科医の立場から~脳卒中を見逃さないために~でした。
急性めまいの鑑別、ABC-DEMON。 AICA/PICA BPPV Cerebellar hemorrhage Deafness(突発性難聴) Epidemic Vertigo(前庭神経遠) Meniere Otitis interna, media Neurovascular compression(Bow hunter synd.) やはり、救急車で来院しても診察が難しく困るということで、専門医でもそうなんだとちょっと安心?
めまい+嗄声なんでしょう? Wallenberg症候群。 その原因として椎骨動脈解離について勉強しました。 椎骨動脈解離は若年者に多いので、高齢者だけではなく、若年者のめまいでもHorner症候群の確認はカルテ記載残そうと思いました。 椎骨動脈解離271例のうち、めまいが主訴なのは28例。 平均51歳、男性64%。 幻暈の正常は様々。頭痛は75%で全例ではない。 17%は局所神経症状も頭痛もない →これは見つけるの困難だが、全例で予後良好ではある。 46%は非脳卒中なので、MRAで血管内径だけではなく、BPAS(当院ならちゃんとT2WIみる)で血管外径、T1WIで解離腔の血腫確認、が大事。
勉強になりました。