top of page

呼吸困難の患者さんに返す判断をしたけれど

レジデントノート 2016年8月号 Vol.18 No.7 救急外来 この判断・説明なしに帰してはいけない

に記事が掲載されました。

初期研修医向けのメッセージを簡潔に。

鑑別

  • 救急外来で呼吸困難と言えば、心疾患と肺疾患。

  • でも本当にヤバいのは上気道狭窄ですので、Stridorや鎖骨上窩陥凹あれば急いで上級医に助けを求めましょう。

  • 見落とされやすい疾患は神経筋疾患です。A-aDO2が開大しない換気不全パターンとなります。複視や眼瞼下垂があれば典型的。

心不全

  • 頸静脈圧波形の観察は苦手な研修医もいますが、非常に有用なので是非習得を。

  • 心不全管理には塩分制限と体重測定指導。

  • 呼吸困難は心不全も気管支喘息も夜中に悪くなりうるので、迷えば入院を勧めるべき

肺塞栓

  • 肺塞栓の有名なルールにWellsスコアがありますが、「他の疾患よりも肺塞栓が考えやすい」というあまりに主観的な項目があるので、初期研修医には使いにくく、PERCといわれるルールが有用かも知れません。以下のすべてを満たせば肺塞栓はほぼ否定できるというものです。

50歳未満 心拍数<100/分 SpO2>94% 片側の下肢腫脹なし

血痰なし 最近の手術もしくは外傷なし 肺塞栓や深部静脈血栓の既往なし 経口避妊薬の使用なし

  • ルールが覚えられない人は、①血栓リスク、②下肢深部静脈血栓症の徴候、③呼吸と循環の両方に徴候、の3点を評価するということを覚えておけばよいと思います。

閲覧数:26回0件のコメント
bottom of page