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第32回 中京西部医師会・洛和会丸太町病院 生涯教育講演会

私は臨床研究発表部門で肝胆道系疾患に対する肝叩打痛の有用性を発表しました(以前、論文化した内容です:Curr Gerontol Geriatr Res. 2015;2015:431638.) 肝叩打痛は肝胆道系感染症ならびに肝胆道系疾患の検出に、Murphy徴候や右季肋部痛よりも鋭敏(それでも感度60%だが)であり有用です。 当院のように高齢者が多いと、Murphy徴候も半数で施行不能ですが、肝叩打痛ならば意識障害があっても顔をしかめる様子で判断できます。

当院外科消化器センターからは出口先生が大腸癌の腹腔鏡下手術の報告を行いました。 当院では2015年は結腸癌の90%、直腸癌100%で腹腔鏡下大腸がん手術になっています。 もちろん良い適当となる症例との巡り合わせも大きいのでしょが、 外科領域も研修医時代とは医療水準が全く異なるのですね。 最低限の外科領域も定期的に勉強しないといけないと思いました。 特別講演は京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 教授 伊藤義人先生の「日常診療における肝疾患のチェックポイント~ウイルス性肝炎から脂肪肝まで~」でした。

肝細胞癌は西高東低分布で、西日本に多い(嵯峨・愛媛がトップ争いで、京都は20位で平均的な都道府県)。 HBVは既感染者含めれば世界人口の1/3。欧米ではA、東南アジアはGenotypeBとC、日本ではCが多い。母子感染防止事業が始まったのは1985年からで小児のHBs抗原陽性率は激減してはいる。エンテカビルやテノホビルは再転写を阻害するが、元の”雛型”は残ってしまうので、簡単にはやめられない。 HBV既感染者は日本で2-3割ほどいる。免疫抑制療法時に抗ウイルス薬の投与は自分でも行っているので、HBV再活性化についても良い復習になりました。 HCVは年に2回以上のガイドライン改訂があり、正直、私は全くついていけてない。 ASV、DCV、SOF、LDV、RBV、PTC/r、OBVなど抗HIV薬のような豊富なラインナップになってきており、プロテアーゼ阻害薬、複製複合体阻害薬、非核酸型ポリメラーゼ阻害薬に分類される。 耐性遺伝子を調べて個別化する治療が進んできている。 日本では2005年の時点で80%近くが55歳以上で、65歳以上が54%と高齢化が著しいが、高齢者は発がん率非常に高い。 また発がん率は男性でも高い(RR 5.5)。 ASV・DCVしている75%が65歳以上なので高齢だからと画一的に諦めてはダメ。 SOF/LVD(ハーボニー)で腎機能障害以外に、高血圧→脳血管障害などの心血管系イベントに注意。 非B非Cの肝細胞癌は27%にも増えてきている。NASHの診断にはFIB-4 indexが有用で、1.30~2.67がボーダーライン

日本人では12.5%が肥満患者ではない。やせ形の場合、成人になってからの体重増加>10㎏がリスク。

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