Oberstブロックは古い、と10年以上前に言われた。神経障害起こしやすいし、二回も刺して痛いからだ。
そこで、Single palmar injetion blockを好んで行ってきた。Compartment症候群のように神経障害を来さないために2ml程度を注入とする報告が多いようだ.
今回は基節部だったが母指なのでNo man's landも気にせず縫合できるが、 母指ではSingle palmar injetion blockの効果が乏しいことあるよなぁ・・と思って調べたらちゃんと記載があった。母趾と小指は腱鞘が手関節まで伸びているために麻酔量が多く必要なそうです。でもどのくらい必要かは記載がない。
以下はメタ解析の結果で、古典的な背側からの穿刺法との比較です。
掌側から穿刺するほうが痛い傾向はあるが、さほど変わらない。
Single palmar injetion blockでは基節部の麻酔効果が弱い。
浅く皮下までに穿刺するほうが腱鞘内に投与するより痛くないが、
効果は同等。
J Hand Surg Br. 2006 Oct;31(5):547-55.
つまり、皮下までの浅いところに2ml程度のキシロカインでSingle palmar injetion blockが良いということ。
また背側からwebを穿刺する方法は、2回穿刺しなければなりませんが、麻酔範囲が近位部までカバーできますし、片側に偏った創ならば選択肢としてよいかもしれません。なるほど。
Plast Reconstr Surg. 2006 Oct;118(5):1195-200.
Single palmar injetion blockは1.8ml、Webには2カ所で3-4mlの2%リドカインを使用したところ、
疼痛はさほど変わりませんでしたが、
満足度はかなり違うようで、原則Single blockという方針には変わりはありませんが。
J Ayub Med Coll Abbottabad. 2014 Jan-Mar;26(1):88-91.