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S.aureusと似てるのにS.aureusには嫌われるS. lugdunensis

Human commensals producing a novel antibiotic impair pathogen colonization.

Nature. 2016 Jul 28;535(7613):511-6.

ここ数年で当院でもS. lugdunensisに良く遭遇します。これは症例数が増えたためか、検査室がちゃんと”CNS”というだけではなく同定するようになったためなのかどうかは分かりません。いずれにせよ、

1. 市中感染 感染性心内膜炎 S.aureusばりの激症経過

2. 院内感染 人工物感染 経過長く異物抜去しないと治らない

という2大イメージは内科医でも知っておく必要があります(実際には1でも2でもないのもあるんだなぁと経験もしましたが)。

今回はこんなS. lugdunensis の”有益性”:鼻腔から分離されたS. lugdunensisが、lugduninという物質を作っており、これがS.aureusを抑制することが分かった。

どうやらグラム陽性の菌には効果を期待できそうだ。

Lugdunin産生のS. lugdunensis がいるとS. aureus がみるみる駆逐されていく。

実臨床においてもS. lugdunensis がいるとS. aureus の定着が少ない。

S. lugdunensis だって病原性はあるので、MRSA除菌のためにS. lugdunensis を鼻腔に塗ろうとは思わないが、新たな抗MRSA薬への期待が高まるというお話。

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