総合診療 2017年 3月号の特集は これがホントに必要な薬40 総合診療医の外来自家薬籠 です。
物事をややこしくすることは簡単です。細かく細かく書けばよいのです。
頭の中が整理できていないと、そうなります。下の看板は予備知識がないとパニックになります。
またほかの例を挙げるなら「横断歩道ではないところでは渡らない」を交通標識にすると下の写真のようにややこしくなります。
物事の本質を見失わないためには、あえてすべては覚えない、多くは用いないことも大切です。そういったことを教えてくれる特集です。
実は同じ視点で書かれたのが、私の連載「クスリとリスク」で、身近な薬についてのみ解説してきました。今回は最終回で、薬剤性血球減少を取り扱いました。
前置きが長くなったので、今回は図表もなしで要約だけ紹介します。エビデンスについては誌面を参照頂ければ幸いです。
薬剤性無顆粒球症の原因は抗癌剤、抗甲状腺薬、抗菌薬が多い。
抗癌剤による無顆粒球症は10-14日目に最低値をとることが多いが、単球が先行して減少・回復することが多い。
抗甲状腺薬による無顆粒球症は0.3%の頻度で認められる。投薬開始3週間~3ヶ月後の発熱・咽頭痛での発症が典型的である。
血小板減少症はST合剤などの抗菌薬、NSAID、H2拮抗薬で起こることが多い。
ヘパリン開始後5-14日に血小板減少が見られれば、ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)を疑う。
1年間の連載にお付き合いいただきまして、有難うございました。
4月号からは尿検査について連載を始めます。尿検査だけで多分2年ぐらい連載を書き続けると思います。ちょっとマニアックに、でもプライマリケアで使える知識をお届けする予定です。乞ご期待。