21世紀適々斎塾も立ち上げから早1年となりました。
1日目は2題
「黙って座ればぴたりと当たる」 中西内科 中西重清先生
診察室ではビデオ撮影をしている。インフルエンザでも全員動画残すそうです。これはスゴイ財産となりますね。 最近の動画は綺麗なので切り出せば静止画としても十分伝わる(Handycum HDを使っているそうです)。動画でしか分からない情報が多いことが良く分かりました。 中西医院には100人受診する。診察室めちゃくちゃ広い。秘書がいる(動画も半自動的にとってくれる)。待合、点滴室などの環境もすごくよい。職員が良く教育されていて看護師の病歴聴取能力は少なくても初期研修医に匹敵。 カルテも書いてくれるので診察に集中できる。診察の質もさることながら「ちゃんと診察されている」という感じから患者さんの満足度は非常に高いと思います。 一方、当院には外来見学希望で問い合わせも何件かありますが、すべて断っています。それは、付き添いの人の座る場所すらないような狭い狭い外来診察室だからです・・・悲しい。
全然関係のない疾患で受診したが、別件で教えてもらった上腕二頭筋腱断裂の動画。こういう貴重な勉強のチャンスを逃さないことは大事ですね~。見習わなければなりません。
悪寒戦慄を訴えた患者。開業医がした次のアクションは、血液培養だけ採取して救急車で病院へ。凄い!!採血など何の意味もないですもんね。病院側の医師から見ると無駄のない素晴らしいトリアージと思いました。CRP見てから入院を決めているような研修医は反省しなければなりません。
診察しながら患者を喜ばすようなことを言ったりするテクニックも良いですね。開業医さんのこういうテクニックには我々が学ぶことが多いです。
提示した症例は60症例。とても勉強になりました。
心筋梗塞、送る間に禁煙約束。
Ca拮抗薬で歯肉肥厚は自験例で8%だそうです。これは見落としている可能性高いです。
ウイルス性心筋炎は初診時に頻脈見落とすと”風邪”と勘違いする。
発熱咳なしで比較的徐脈で肺炎像 ⇒ レジオネラ
上手く話せなくなる ⇒ ご飯食べると治る ⇒インスリノーマ(ほぼ病歴だけ診断して病院に送っているとのこと。カッコよすぎ。)
ギランバレーや特発性縦隔気腫、Crowned dens synd、RS3PE、パルボ、FHC、卵巣出血、卵巣腫瘍茎捻転、つつがむし、アニサキス、Basedow病、肺塞栓症、亜急性連合性脊髄変性症、脚気、Mondor病、Behcet病、色々面白かったです。 当院でも来年度から外来カンファを再開しますが、入院患者からは学べぬ症例が外来には多いですね。
「こんな時フィジカル1」 JCHO本部顧問 徳田安春先生
Case-based learning for physical diagnosis Constant先生のデータのデジタル版とシュミレーターを用いて心音の勉強をしました。
じっくりとシュミレーターを用いながら放散や頸動脈拍動を確認していくことで理解が深まりました。回診でここまで教育的な診察を行うのは難しいと思っていましたが、先日紹介した電子聴診器を用いたら皆で聴診しながら実践可能かも知れません。来週試してみようと思います。
診察は頸静脈ー頸動脈ー心尖拍動ー聴診。
2R-2L-4L-Apex。
Brockenbrough徴候は正式にはBrockenbrough-Braunwald-Morrow signというようですが、VPC後に収縮期雑音が大きくなれば左室流出路狭窄を疑うというものです。良い音源で非常に分かりやすかったです。
大動脈弁閉鎖不全は急性におこると代償できず、拡張期にすぐ圧があがる、PHT短い。だから雑音分かりにくい。
イチロー君はparasternal heaveも再現できるとは驚きです。凄いなぁ・・いまのシュミレーターは。
MSのOSはラッ パ・パ となる。立位になるとラッ パ ・ パ(左房圧下がる) 。重症だとラッ パパ(左房圧あがるとII音とOSの間が短くなる)。音楽に合わせてリズムを叩きこむのは面白かった。