医学書院の「総合診療」でI LOVE Uの連載を始めました。
こんなに簡単で、こんなに奥深い尿検査の世界をみんなに知って欲しいという企画です。
最初は簡単なものから始まり、最後にはちょっと変わった尿検査の使い方まで解説していこうと思っています。
今回は、救急外来にて大動脈解離疑いの患者。尿蛋白も尿潜血も陰性だったら95%以上で腎機能は問題がないので、十分な説明の上、採血結果待たずに造影検査をした症例を紹介。
ところで、蛋白尿や血尿は腎障害を示唆する重要な所見ですが、「臨床的に意義の高い陽性」とみなすのは(±)からでしょうか?(1+)からでしょうか?
蛋白も潜血も(±)までなら17年後の末期腎不全発生率は1000人あたり2.3~4.0で両者が(-)の時とあまり変わりません。一方、蛋白尿が(1+)だと潜血が(-)でも10.5となります。また、蛋白尿を(±)から陽性とすると、15%、血尿を(±)から陽性とすると19%もの人が陽性判定を受けてしまいます。だから(±)は陰性、(1+)は陽性と判定するのです。
詳細は本書を参照下さい。特集も「病歴と診察で診断できない発熱」という面白いタイトルに惹かれますね。
それではまた次号からも宜しくお願いします。