敗血症の診断基準が変わってICU外でqSOFAを用いるようになりました。
個人的には臨床現場での判断は何も変わっておりませんが。
ICU以外ではqSOFAで2点以上が敗血症の診断に必要な臓器障害の目安として用いられます。
qSOFA:呼吸数≧22回/分、意識状態の変化、収縮期血圧<100mmHg
敗血症の入院死亡を予測する上で、SIRSを用いるよりもqSOFAのほうが優れることは追加試験でも確認されていますが、それは臨床医にとってあまり情報になりません。
なぜならばqSOFAの項目のうち低血圧・ショックを見れば、誰でも「マズイ!」と気づくからです。また呼吸数が速いことはSIRS基準でも用いられており注意すべきことは皆すでに知っていることと思います。
以下の2項目以上を満たす病態をSIRSとする。
体温>38℃もしくは体温<36℃
心拍数>90/分
呼吸数>20/分、もしくはPaCO2<32mmHg
白血球>12,000/μLもしくは白血球<4,000/μLもしくは桿状球>10%
だから、qSOFAの最大のメッセージは、わずかな意識障害(つまりGCSが満点であっても)を何かおかしいと思う心を大事にしましょう、であると勝手に解釈しています。
しかし、qSOFAも感度・特異度ともに60%台と診断特性は高くありません。より診断特性の良いものとしてEarly Warning Scoreをフィードバックには用いたほうが、臨床医のスキルはアップすると思います。
Modified Early Warning Score (MEWS)
National Early Warning Score (NEWS)
これらの表を覚える必要は全くありませんが、ICU入室になった人などの初診時バイタルをこの表を使って見直すと、自分が軽視していたバイタルサインに気づけるようになるかも知れません。
Am J Respir Crit Care Med. 2017 Apr 1;195(7):906-911.