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講演会報告:広島の総合診療がアツい

4/13に広島市立安佐市民病院で教育回診しました。

救急外来に来ていた貧血の高齢者女性。

バイタルは安定、坐位での起立性血行動態変化もない(本当は立位にすべきでしたが)。便潜血陰性⇒急性失血は否定的

下腿浮腫はほぼなく、Venous ham、頸静脈怒脹、III音もない⇒心不全を起こすほどの貧血ではない。

たしかに結膜蒼白あり。体はやや黄色く見えるが眼瞼結膜は黄染なし⇒溶血性貧血を示唆する訳ではない

わずかに青色強膜。舌乳頭萎縮もあるが年齢相当。爪は匙状変形なくもろくもなっていない⇒鉄欠乏性貧血の可能性はあるが、特異的所見に欠ける。

舌発赤、舌痛、腹部手術痕、末梢のしびれ、ふらつきなし⇒VitB12欠乏を疑う所見はない

腹部腫瘤、肝腫瘤、鎖骨上リンパ節腫脹なし⇒消化管悪性腫瘍を示唆する所見なし

としか分かりませんでした(おそらく抗凝固薬+抗血小板薬服用があり、亜急性の経過の消化管からの失血)。

でも、こういった診察を実況中継で解説することは自分にとっても勉強になります。

普段の回診では患者数が多いため、ここまで解説することが難しくなっていますが、初診に戻る必要性を感じました。明日からまた頑張るぞ。

4/14は呉共済病院にお邪魔して、初期研修医にバイタルサインの話をしました。

その後、高齢者の身体診察の話をしました。そこで私の講演会から関連する症例を臨機応変に提示して頂き、症例検討会に。

 症例は高齢女性の右膝痛+食欲低下。

 膝が痛いだけで食欲低下はおかしい。化膿性関節炎かとも思いましたが、身体所見では膝に他覚的所見がない。大腿骨頚部骨折でも膝痛はありますが、股関節も痛がらない。

 これは関連痛を疑う所見として、診察を続けるとHowship-Romberg徴候陽性で閉鎖孔ヘルニアを疑う、という症例。

 実際には誤嚥性肺炎合併していたりと、クリアカットにはいかない難しい症例ではありましたが、大変勉強になりました。それにしてもこういった症例をちゃんと学会報告したり論文化して、スライドもすぐ出るようにしているとは恐れ入ります。見習わなくては。

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