私は高齢者の身体診察エビデンスについて話しました。
後半は 池袋病院 副院長・脳神経外科部長 平川 亘先生 明日から役立つ認知症のかんたん診断と治療
です。
・画像(VSRAD含め)で病型診断はできない。臨床所見が大事。
・アリセプトはDLBとFTLDは除外してから
・中等症以上のDLBは体が傾いているので一目見たらわかること多い
・年齢言えればHDS-R≧15というのが簡単な目安。
・質問に対して振り返り家族に聞けばAD。困ればDLB。起こればPick。
・高齢者の認知症はすべて混合型である(ADと脳血管性の両要素を持つ)
・ADは頭頂葉評価すればわかる。指模倣テストは感度高く、時計描画が特異度が高い。OKからキツネの指に変えるなどを見た目だけでまねさせる(キツネとは言わない)。両手のキツネの耳を合わせる離す、180度ひねって耳を合わせる。ハトをつくるのは高齢者では難しいことあり。
・時計描画は丸をかく、数字を書く、10時10分の針を入れるの3つを行う。直径が3㎝以下ならばAD疑う。
・頭頂葉障害されていると横からの食事介助がうまくいかず、正面から介助するとよい。
・AchE阻害薬は増量規定に従うよりも超レスポンダーの存在を意識したほうがよい(アリセプト1.5mg開始2.5㎎維持のほうがよかった)。ドネペジル5→2.5として易怒性消失、10㎎から2.5㎎とし歩行不能、食事困難から歩行や疎通可能となった症例など動画で学びました。池袋病院ではアリセプトの投与量は平均3.1㎎で1㎎もまれではない。(当院でもアリセプト中止でよくなった症例はよくある・・)
・ACh-E阻害薬は3割で頻尿・失禁。誤嚥もするし歩けなくもなる。少量でも徐脈・突然死ありえる。レミニールは眠気・消化管症状多いが長期効果(8㎎程度)が一番よさそう。リバスチグミン(リバスタッチ)は維持量で2.25-4.5㎎目安で、DLBの力が入らない歩行障害に効く(1.125-2.5㎎貼って効果は最短40分後から!)。このデータは現在臨床研究が進んでいるという話ですが効果を示した動画はあまりにすごい効果で驚きました。せん妄にも効く(これは当院ではうまくいかなかったケースが多いが、もともとせん妄ある人には効かないとのこと)。
・メマリー5㎎でも逆に興奮することあり。これらの薬剤は全体として半分から1/4が適正量の目安。
・シロスタゾールは認知症に有効な可能性。突然発症・DLBに効果あるとのことで、効果確認にはRCTが必要といったところでしょうか。