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12月の適々斎塾は不定愁訴セミナーでした

毎月大阪天王寺で開催されている21世紀適々斎塾に久しぶりに参加できました。

昨日は病院の会と重なり参加できませんでしたが、 栩野吉弘先生(大阪市立大学医学部 総合医学教育学) 長引く咳と呼吸器疾患 -鎮咳薬でよくならない時にどうしてますか- 豊田宏光先生(大阪市立大学医学部 総合医学教育学) せぼねの診かた サイエンスとアート 國松淳和先生(国際医療研究センター) 診断マトリックスでよくわかる不定愁訴のミカタ の豪華3本立てでした。

参加した後期研修医に後日内容を教えてもらいます。

本日も3本立て。

高岸勝繁(京都岡本記念病院) 検査では異常みとめません

めまい・ふらつき 74歳女性 身体所見・検査に特記すべき異常なし。 無症候性脳梗塞にてメリスロン、セファドール、シロスタゾール、クレストールを少なくてもふらつき発症数か月前から服用している

答え;シロスタゾールによるめまい

シロスタゾールはCSPS2 trial 脳出血が減る(NNT100)。ほかにも血管拡張作用によりSAH後の脳血管攣縮、VSAに有用という報告も。一方、副作用で中断したのは20%(NNH 12.5) 。頭痛、下痢、動悸、めまい、頻脈、便秘。薬剤は長期服用していても様々な副作用を起こしうる。

68歳 ”食欲低下”・体重減少

髄膜腫術後てんかんあり、バルプロ酸 レベチラセタム追加後2か月で食欲低下

診察では振戦を認める(もともと本態性振戦あるがここ2か月で増悪している)。

(鑑別として器質的疾患や精神的疾患は想起しやすいが、機能的要因、社会的要因を落としやすいので注意・・・)

答え:バルプロ酸による振戦

実際には食欲低下ではなく経口摂取が難しいことと不随意運動による消費カロリー低下。

60歳女性 ”慢性じんま疹”

1年前から月1-2回の2-3㎝の膨疹が1-3日出現。口唇浮腫伴うことあり。

各種検査で原因同定できず

日誌つけると、ぶり照り焼き、焼き魚、カレー、煮魚、とんかつを前日に食べた時に翌朝に皮疹が出現するようだ

答え:ヒスタミン不耐症

(一例は秘密)

39歳女性 半年前からの運動・負荷時に増悪する左前腕、左大腿、右側頭部痛

同部位に強く押すと圧痛あり。

持参した頭部CTを骨条件に変換すると、骨硬化がありそう

答え:慢性再発性多発骨炎(SAPHOの不全型)。ビスフォスフォネートで著効。骨痛と疑えることが大事。

62歳女性 30歳代からあちこち痛い。線維筋痛症が心配。

診察では左胸鎖関節痛、左肘腱付着物圧痛・・

背部痛なく、眼症状は微妙。

答え:脊椎関節炎 

線維筋痛症71例調べるとSpAの診断基準は3割で満たす。線維筋痛症の診断前にSpAも鑑別に。

(一例は秘密)

私は 上田剛士(洛和会丸太町病院) 非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス を講演しました。

午後は「不定愁訴対応力が向上する症例検討会」です。  高岸勝繁(京都岡本記念病院)  上田剛士(洛和会丸太町病院)  國松淳和(国際医療研究センター)

この症例集は院内で勉強会しそうなので秘密にしておき

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