プレドニゾロンとバクタが苦いために内服できない患者さん。
錠剤で処方すると噛んでしまうため、苦みが強い。
散剤としてオブラートとしても上手に飲むことができない。
そこでプレドニゾロン散剤と飲みやすい組み合わせについて、主治医とたまたま医局に居合わせた医師、合計4人を対象に検証した。
対策1.プレドニゾロンをリンデロンに切り替える
プレドニゾロンはとても苦い。バクタは苦いがまだまし。リンデロンも苦いがまだまし。
ステロイド製剤をリンデロンに切り替えれば内服可能となる可能性がある。
対策2.コーヒーで服用する。
次にプレドニゾロン、バクタ、リンデロン散剤について、組み合わせのよい飲み物や食材を検討した。
検討したのは以下の9つ
水
緑茶
紅茶(ストレート・ティー)
カフェ・オ・レ
ブラック・コーヒー
プリン
ヨーグルト
バニラアイス
みそ汁
結果:
プリン、ヨーグルト、バニラアイスは糖質の甘みで一瞬は苦みがまぎれるが、その後は苦みが引き立って感じてしまう。ただしバクタやリンデロン程度の苦みならばヨーグルトやアイスでも許容されると感じる人もいる。
もっとも不人気であったのは全員一致でみそ汁であり、深みのある複雑な苦みを感じる。
最も組み合わせが良いと認識されたのはコーヒーであった。飲んでいるときに苦みがまぎれるだけではなく、コーヒーの後味が薬の苦みもマスクした。それと比べると劣るもののカフェ・オ・レと紅茶も同様の効果を発揮した。緑茶は効果がさらに劣り、あまり有用ではなかったが、プリンなどで感じた嫌な味覚の修飾は感じなかった。
Limitation:
市販のゼリー状の服薬サポート製品(おくすり飲めたね🄬)は院内コンビニでは売られてなかったので比較検討をしていない。
糖質の甘みは持続時間が短いが、甘草のような持効性の甘味製剤では苦みをマスクできる可能性はある。
あくまで限られた状況に対するシュミレーションですので、解釈を一般化しないようにお願いします。薬剤によっては同時摂取するものによっては吸収が障害されたり、変性したりする可能性があります。
結論:
苦い製剤が飲めない場合、甘みで苦みをカバーするのは難しいので、むしろコーヒーなど苦みのある飲み物を用いるのがよい。
追記;バクタ配合顆粒は白糖コーティーングしているため緑茶やリンゴジュースなどで溶くと白糖が溶けてしまい苦くなります。今回は粉薬を口の中にいれてから飲み物を飲んでいます。
また、果物は酸性なのでコーティーングを溶かしてしまうことが多いので、果物ジュースは一般的に避けるのが無難ではないかと思います。これについても次回検証してみたいですね。