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この尿は臭う。何かあるぞ。

今月の総合診療の連載「I LOVE Urinalysis」のテーマです。

  • 尿臭の尿路感染に対する診断特性は限られたもの

濃縮するだけで尿臭は強くなりますので、尿路感染とは断定ずらい。

  • しかし、腸管膀胱瘻による糞臭、Aerococcus urinaeによる腐敗臭、Candidaによるビール臭などは特徴的である。

Aerococcusは4量体が特徴的なGPCです

Candidaにより尿がアルコール発酵してビール臭がすることがありますが、尿からできたビール、その名も「Pisner」をご存知の方はいますでしょうか? これは書籍には書きませんでしたが、せっかくなので興味ある人は動画をご覧ください。

  • 先天性代謝疾患の中には特徴的な尿臭を呈するものがある。魚臭症はその一つである

 体臭や尿臭で疑うことができる疾患は多数ありますが、中でもタンデムマス・スクリーニングに引っかからず、ほかの症候が乏しく、思春期に増悪するものとして、トリメチルアミン尿症(魚臭症)を取り上げました。この疾患は発達障害などは伴わない良性の疾患ですが、本人は大変悩んでいます。食事指導である程度症状軽快するため、診断する価値が高い疾患です。

 ほかにも人は自分のペットをかぎ分けられるか?、イヌによる膀胱癌や前立腺癌の鑑別、ソムリエが用いる猫の尿の臭いとは? など雑学だらけの回となりました。次回は、もう少し教科書的な話に戻る予定です。

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