近畿薬剤師合同学術大会2018(第39回日本病院薬剤師会近畿学術大会・第20回近畿薬剤師学術大会)が国立京都国際会館で開催されました。
そこで教育講演として、薬物療法~ポリファーマシーに薬剤師はどう取り組むべきか~
座長
友金 幹視(京都第二赤十字病院薬剤部)
上田 和正(京都府立医科大学附属病院薬剤部)
演者
上田 剛士(医療法人社団洛和会洛和会丸太町病院救急総合診療科)
を行いました。
会場は満員となり、有り難く思います。かなり沢山のご質問・ご意見を伺いましたが、会場では回答する時間がなかったため、この場を借りて回答させて頂きます。
老健施設での、ポリファーマーシも同じですよね。
>ご指摘の通りと思います。
薬剤師はポリファーマシーについて非常に関心があります。これは要は医師側の問題になるのではと思うことしばしばです。医師側の啓蒙によると思うのですが、報酬点数など行政からのアプローチなど出来ないものでしょうか?
>おっしゃる通り、処方箋を発行することのできる唯一の国家資格を有する、つまりもっとも責任を負うべき医師が何とかしなければならない点は大きいです。報酬点数は薬剤総合評価調整加算、薬剤総合評価調整管理料の新設や、実現はしていませんが感冒薬の保険適応からの除外など、行政も様々なアプローチは行っているようです。しかし、投薬数が減っているのに窓口での支払いが多くなる事に対する違和感が患者さんから受け入れがたい問題も指摘されており、思うような効果は得られていません。また、正しいことをさせることに、インセンティブ(金銭)を用いる方法は思ったような効果が得られないような報告が多く、皆さんの患者さんを幸せにしたいという内発的意欲付けこそが力を発揮することも報告されています。ポリファーマシーに高い関心のある先生方の地道な活動こそがいつか実を結ぶと信じています。宜しくお願い致します。
逆にズバズバ止めてはダメな継続が必要な薬で代表的なものを教えてください
>予防薬はリスクが低ければ中止可能な薬剤が多いですが、漸減せずにズバズバやめると離脱症状が出現してしまう薬剤もいくつかあります。
抗けいれん薬、ベンゾジアセピンは急に中止すると、痙攣などを起こすことがあり漸減中止することが多いです。抗パーキンソン病薬は急に中止すると悪性症候群を起こすことがあります。SSRIの離脱症状も有名です。中枢神経系の薬剤は注意ということですね。またステロイド中止は副腎不全を起こしますし急な減量で離脱症状も時に起こします。
在宅患者さんで、それまでに向精神薬多数服用されていました。在宅を担当された医師が薬が多いですねと、取り組みが始まり、途中でデパス1㎎1日4回をいきなりカットされてきました。そこまでも減薬が進んでいたので、いきなり全部を減らすことの不安を伝えました。一回分残すことになって、1ヶ月、様子のチェックを続けてましたが、変化なく、次には一回分のデパスもなくなり介護度も下がりました。 こんな医師はめったにおられませんが、少しずつつついてみたいです。
>お元気になられる方を見ると、減薬は病みつきになりますね。ベンゾジアセピンの急な中指は離脱症状を来す事があるため、1回分残したのは安全性担保の意味で良かったと私は思います。とても良い薬剤師-医師連携の例ですね。もし離脱症状が出現した場合は昼間ならば振戦・動悸・イラ立ち・発汗で気づけますのですぐ相談してもらえば何とかなるでしょう。夜間に離脱症状がでると対応が遅れがちですが、眠られる離脱症候群は珍しいので、不眠時にはデパス1T頓服とする対策も考えられます。
入院前からBZ系の眠剤を複数併用している人などは、ポリファーマシーだと思いつつも有害事象がないと処方変更提案しづらい。患者も変更を希望していない。
>これは難しいですね。投薬変更が患者QOLを改善しないならば関与することはメリットが乏しいと言わざるを得ないです。しかし、何かの節目に薬剤を見直す必要性を伝えることはできます。入院したというのはとても良い節目です。急性疾患罹患していること(つまり肝機能や腎機能の低下を伴いやすい)、嚥下機能低下や腸管安静の必要性から、他の薬剤を新規服用し薬物相互作用が出現しやすいといった理由から、必要性の低いと思われる薬剤を”とりあえず一時的にでも”中止をすることは理にかなっていると思います。また外来であれば今まで大丈夫でも若い時から飲んでいた薬をそのまま飲むのは危ないことを理解してもらいます。若い時のように沢山食べられますか?走れますか?沢山飲めますか?。薬も同じなんですよ、という事ですね。70才、80才という区切りでの減薬は提案しやすいです。
高齢者への漫然とした抗パーキンソン薬や抗てんかん薬は切れますか?
>抗パ薬は切れること実は多いですが、判断が難しいです。入院中にL-DOPAを静注して反応性ないなら中止する、などということをしたりしていますが、手間がかかります。本来は処方した医師が反応性をしっかりと評価していれば良いのですが、その記録が手に入らないことが多いのが難点です。経験則としてはL-DOPA単剤の場合はそこまで効果がなく増量しなかった可能性が高いため、減薬検討リストに入ります。もちろん中止するとなった場合は、中止前後での症状変化をしっかりと観察する必要があります。
抗てんかん薬に関してはてんかん発作の原因や発作歴などによりますが、2年間発作がないなら中止を検討するのが一つの目安です。特に脳血管障害や頭部外傷・手術の急性期にのみてんかん発作が認められた場合は、再発リスクが比較的低いため、漸減・中止できる可能性が高くなります。ただし、再発イベントが起きた場合のリスクを十分検討しなければなりません。
薬を出さない医師=よくない医師のイメージがまだ根強く残ってる気がします
>そうおもいます。私の初診外来は処方なしが半数以上です。私は病気を見落とすことが怖いですが、余計な処方で副作用を出させることも怖いので、説明とフォローアップに時間を割くことを選びました。採算を考えずに済む勤務医だからできることなのかも知れませんが、、、。検査や処方しないことで患者さんから驚かれることは多いので、私のような信念を持った医師に不信感をもっている患者さんもみえるかも知れません。これは啓蒙活動を続けていくしかないです。
スタチンをやめる基準が分からず減薬提案ができていません
スタチンを脳梗塞の予防に使われているときに中止してもいいのか迷います。
>中止基準は残念ながらありません。
しかし、この表をみるとイメージ湧くと思いますが、脳梗塞の予防に関してはさほど強い効果ではありません。
スタチンも神経、筋などに対する悪影響が色々と報告されていますので、リスクが高くない症例では中止するのも妥当と思いますが、各学会ガイドラインでスタチンが推奨されている現状では、80才以上ぐらいの高齢者を除き、中止する医師は少ないのが現状と思います。
流行りの合剤って止めるべきですよね 降圧剤とか
>一つ一つの薬剤の特性を考えて用量設定したいということ、ポリファーマシーの本質改善にはつながらないという理由で、合剤は個人的には処方しておりませんが、処方錠数を減らしたい、薬価少しでも下げたいという思いで使用されておられる医師も多いようですね。
他院にかかっている情報は伝えてほしくない患者さんもまだまだ多いです。残薬も秘密にしてほしいとのこと。説得には時間がかかります。
紹介状を拒否されるが、転医したい患者さんと似ていますね。他院受診を隠されることは非常に危険の行為であるとは思いますので、なんとかしたいですが、残薬を黙っていて欲しいというのは、医師に怒られると感じているのでしょうね。心ある医師ならば残薬を怒るのではなく、それを改善するための方策を患者さんと相談するでしょうに。私もそう思われないように精進します。
家族さんが薬に固執され、ポリファーマシーになっている方がいらっしゃいます。
これ、とっても困りますよね。ポリファーマシーは悪意からではなく、善意から起こるがために解決が困難なことがある一例ですね。
ポリファーマシー外来の認知度はどれくらいでしょうか。減らして欲しいという相談は月にどれくらいですか。
当院の総合診療科入院患者は全例で関与しています。が、わざわざポリファーマシー外来という用語は用いていません。本来、総合診療医ならばすべての病気を診療するので、薬剤調節は日常診療の範疇にありますので。
減薬希望で外来を受診されるかたも見えますが、セカンドオピニオンでない限り薬剤調節は前医との関係性から考えて難しいのが現状です。最もうれしかったのは他院入院中にポリファーマシーとなって、開業医の先生が情報問い合わせてもあまり真っ当な返事が返ってこず、不安になって私の外来に減薬希望で紹介頂いたことがありました。これは最後は1年前・・・。
心療内科の先生が患者さんの希望通りに薬をどんどん追加してきます。それこそ安心の為の処方ではないかと思います
精神科・心療内科領域では非常にざっくりいうと、心理療法と薬物療法は効果同等という病態が多いです。その割には手間のかかる心理療法は敬遠されています。それは残念なことと思いますが、人手が足りないのも真実でしょう。「いかなる薬剤も自分の安定剤替わりに処方するな」はすべての領域に通じる言葉と思っていますので、少しづつ広まっていけばよいなと思います。
持参薬から切り替えた処方で減薬を主治医に提案しても元々の処方をいじるのに抵抗があるみたいで減薬してもらえないことがあります。 そのような場合どのようにしたら良いでしょうか?
患者からの希望は何より響くと思います。減薬して欲しいのに医師に言い出せない、そんな気持ちを代弁してあげてください。
高齢者で抗凝固薬1剤にはPPIは不要でしょうか
抗凝固薬単独では消化性潰瘍のリスクはあまり高くなりません。そのため高齢者でもPPIは必須ではありませんが、消化性潰瘍の既往や急性疾患罹患時、消化不良の訴えなどあれば投与が薦められます。超高齢者はそれだけで出血リスク高いですし、消化管内視鏡検査のリスクも高くなるため、全例とは言わないものの投与されるケースが多いのが現状でしょう。
亜硝酸薬を切るのは心配される医師は多いと思います。 説得の術はありますか?
亜硝酸薬の慢性投与に予後改善効果がなく中止を検討すべき薬剤の代表ですが「人気」があります。心筋梗塞を起こすと死亡率が高いため、訴訟問題になります。つまり防衛医療として処方されているケースが多かったのでしょう。学会等からガイドライン等で不要であることが示されると、訴訟にならないのですが、そのようなガイドラインが作成される兆しはありません。もはや風習のように使われているため、本当に信じ切っている人も増えてしまっています。胸やけ、起立性低血圧あれば中止を提案しやすいですが、、。
脳疾患で入院中の患者が夜間不眠で騒ぐ時に困ってます
どちらかというとせん妄でしょうか。患者・介護者のQOLと鎮静のバランスですね。もちろん非薬物療法が優先ですが。
減量成功のCMのように減薬したらよくなった映像を政府が公共放送で放映したらいいんです。
これは素晴らしいアイデアですね。薬剤耐性についてもそのような動きがありますし、是非実現して欲しいです。
薬の減薬、中止を提案すると決まって減薬や中止後の症状悪化を理由にはねられる事が多いです。どのように提案すると医師の心に響くのでしょうか?
症状増悪時には再開したら済む薬剤であれば、中止のリスクは低いため減薬を試す価値があります。
また、もしかしたら害がでている薬(ふらつき、食欲低下など非特異的なものは副作用か判断つかないものがほとんど)から減薬を始めてみるのも手かもしれません。さすがに害があるかも知れないのに中止しないとは言わない(言ってほしくない)と思います。
元々内服されている患者さんに限ってではありますが賦活作用を狙ってドネペジル増量を提案することの方が多かったです。リスクについて参考になりました。
確かに増量することで良くなる可能性はあります。症例を絞って試されるのは良いと思います。しかし悪くなる方も確かにいます。常にリスク・ビネフィットバランスを意識する事と、効果ないならばやめる方がよい(Do No Harm)が大事と思います。
ステロイドを多量に服用されている方の不眠にたいして先生は何を使われますか?
この場合でも非薬物療法が優先します。不眠に対する薬剤に決まりはありませんが、ステロイドによるうつ傾向もあればレスリンなどを試すこともあります。
ドネペジルの服用中止した後の家族さんへどういった説明をしますか?
患者家族へアリセプトの中止提案をどう説明されますか?これ以上認知症が進まないように継続を希望される方が多いように感じます。
認知症状が改善する方もいれば、食欲がなくなるなど症状が悪くなる方もいます。○○さんの場合、食欲改善を期待して薬を中止してみました。残念ながら食欲改善は認められませんでしたが、認知機能低下も認めていません。今後、食欲低下が薬剤の副作用かも知れないとずっと心配するぐらいならば、あまり認知機能に効果を認めていないドネペジルは中止のままが良いのではないかと思いますが、どう考えられますか?など。
スタチン以外のコレステロール治療薬、フェブリクなどの生活習慣病治療薬は現在症状がないこと、予後がそこまで長くない方には中止考慮するようにしているのですが、何か考慮するべきことはありますか?
一般的な脂質異常症や高尿酸血症ならばそれで良いと思います。脂質異常症は冠動脈疾患のリスク(高血圧、糖尿病、喫煙者、脳梗塞、心筋梗塞、これらの若年性家族歴、家族性の脂質異常症など)を、フェブリクは痛風発作の回数と尿管結石の既往は確認します。
入院患者であれば必然的にベッド上の時間が増えると思います。入院患者は眠剤の使用が増えることは仕方ないことですか?
そんなことはありません。昼間うとうとするならば睡眠時間が短いわけでは無いので夜寝る必要はありません。睡眠薬は、睡眠できずに身体がまいってしまうことを防ぐために使います。ベッド上の時間が増えることによって夜に寝られないのは睡眠時間が足りていないよりも、日中にうたた寝していることが影響していることが多いと思います。この場合は朝に日光を浴びて、日中に覚醒を促すことが一番と思います。もちろん症例によっては睡眠覚醒リズム是正を期待してレスリンなどを用いることもありますし、本当に寝られない場合は睡眠薬を使うことはございます。
高齢者のせん妄予防でロゼレムを導入されるケースが多くあります。有効性はどうですか?
個人的にはあまり有用とは思いません。確かに論文はありますが、残念ながらバイアスが混入するデザインで、結論は出ていないと解釈しています。むしろお使い頂いた感触は如何でしたでしょうか?
お薬手帳を用いて減薬提案することは有効でしょうか?
見やすく説明しやすいです。有効と思っています。
消灯時間が早い(9時)→入眠困難→睡眠薬処方→骨折のパターンが多いです。睡眠衛生指導がなかなか難しいです。
消灯時間の問題は当院でも対応考えています。私としてはここで睡眠薬の出番はありません。無理やり21時に寝るのは生理的におかしいからです。こっそりTVみて起きてれば良いです(こんなこと言うと看護部から怒られるかも知れないなあ・・)。自分がもし入院したとしても、すぐには寝ずにこっそりとパソコンをしていると思います。
介護施設ではなかなか処方を調整することをリスクと考える医師が多い印象。アプローチ次第とは思いますが
医師に1人1人の入居者の薬剤チェックする余裕がないのも現状でしょう。紹介状を見ても投薬の経緯、必要性が判断できないことは良くあります。急性期病院で働く医師の立場から言うと、できるだけ投薬を少なくして退院させなかった病院側の責任もあります。皆で解決していかねばならない問題ですね。
入院中だと消灯前に睡眠薬を服用すると、夜中の3-4時に目が覚めてしまうと言われますが、十分寝られてると指導すべきということですね
そう思います。病院という異質な環境下で朝まで熟眠するほうが病的と思います。
正しい睡眠の知識、環境の整備、認知行動療法、最後に薬剤ですね。
安易にラメルテオンを提案する薬剤師は多い気がします
確かに安全性は比較的高いとは言えるでしょうが、睡眠薬には限界があります。どれだけ生理的な機序の薬剤が開発されても、眠くないのに眠くするという生体にとっては不自然な薬ですので、一定の副作用は起こります。不眠に対しては非薬物療法をどこまで上手に行えるかが大切と思います。そのうえで必要であればラメルテオンでもZ drugでもベンゾジアセピンでも効果・副作用を天秤にかけながら使用します。もし一律にラメルテオンという推奨をされている場合は、ちょっと心配になります。
眠剤が30日制限のため、様々な病院で眠剤をもらっている患者が多いです。定期でもらっている薬より多いのでは??という患者も多いです。これでは制限を設けた意味が無いように思います。
これは非常に問題視されている点ですね。こういった処方がされないように連絡を取り合うことが大切です。私は他の医師が向精神薬を処方してれば自分は処方せずに、紹介状で一任する旨を伝えるようにしています。しかし、患者さんが黙っている場合もあり得ますので、薬剤師からのDouble checkも大変助かります。30日制限は私は嬉しく感じています。危ない薬でこういう制限がある、減らさないとダメだよね、やめていこうね、と伝えやすいからです。
薬への執着心が強く、類似薬を多剤併用している患者さんの薬を減らしたい場合、どんな説明をしたら患者さんに受け入れてもらいやすいですか?
「薬剤数が増えると、薬同士がケンカして効果が減弱する」というのは理解されやすい説明と思います。ただし認知的不協和理論で説明されるように、正当な理論が受け入れられない可能性がありますので、一度の説明ではなく何度も繰り返し少しづつ認識を変えてもらうことも必要です。
ポリファーマシーの問題は、医師の側ではどれくらい浸透していますか?
認識としては広まっていますが、実際に対応している医師は少ないのが現状です。
これまで専門医だけを中心に育ててきた日本の医師社会において、ポリファーマシーは対応しにくい問題であったためです。様々な薬剤に十分な知識を有した医師を育てていく必要があります。
トラマールを飲んでいる方で服用していても効果が見られない場合先生ならどうされますか
症状緩和のための薬剤は、症状改善しないなら中止すべきです。
「効かない薬は毒にしかならない」という言葉があります。
睡眠薬が簡単に処方されていると感じています。もっと最初に必要かどうか慎重に検討すべきと思うのと、中止する事を前提に処方して頂きたいです。
仰られる通りです。もっと我々医師がしっかりとした対応をしていくべきであると思います。
患者が減薬を希望していることを医師に伝えて減薬提案すると、受け入れがいいです。
かかりつけ医で中止薬を復活させない工夫を知りたいです
ポリファーマシーはすべて患者さんのために、という想いが間違った方向に働いて生じているものです。ですから、その患者さんがポリファーマシーを望んでいないということが、ポリファーマシーを減らす上でもっとも有効な原動力となります。ただし、先述の通り、各領域の知識に乏しい医師も当然おられますし、それは日進月歩の医学の世界では至極当然の事でもあります。ポリファーマシーに関心をもち、十分な知識を有する医師を育てることが肝要です。
開業医の先生の観点からは、減薬により何か生じた場合にどうするか、いわゆる防衛医療、という点で減薬にしり込みする事も多いと聞きます。これは我々医療従事者だけではなく、世間の認識も変えていく必要があるということを示しています。
5人の医者で32種類の薬が以前ありました。
最近入院された方で、23種飲んでいらっしゃる方は、4人の医師、4つの薬局、4冊のお薬手帳をお持ちでした。
凄いですよね、、もはや薬だけでお腹いっぱいですよね。
なんとかしたいものです。
お薬手帳はコスト算定するためのものではなく、複数の医療機関受診する際に情報共有する時の重要なツールです。薬局側の問題なのか患者さんの認識不足なのか、問題点を洗い出したい事例ですね。
SAS検査入院の退院時に今まで飲んでもいなかったゾルピデムが処方された。
・・・どうしてそうなっちゃったんでしょうね・・・。不思議です。
バイアスピリン単剤ではPPIは推奨ではないですか?
それだけでは推奨されていません。
PLと葛根湯を併用する救急科の先生にはどのように説得すればよいでしょうか
PL処方と葛根湯という組み合わせもさることながら、そもそも感冒薬に有益性はほとんどありません。今回の会場アンケートでも分かった通り、医師も薬剤師も自分が風邪をひいても、薬は飲みません。中には自分の風邪に抗菌薬を処方する非常に残念なお医者さんもいますが、かなり異端であると信じています。今回のケースがどのような医師の思考過程を経ているのかはちょっと分かりませんが、おそらく初めの頃に何気なく行った処方内容に対してオペラント条件付け/自己ハーディングが起こり、同様の処方しないと不安に駆られてしまう状況に陥ってしまったのでしょう。抗ヒ作用やエフェドリン作用が問題となるケースから投薬しない勇気を身に着けてもらうのが良策ではないでしょうか。
PPIの長期処方について疑義照会するとお叱りを受けることがあります。 ・・・すいません。疑義照会ってお互いにストレス受けることありますよね。
「先生のご処方なので間違いないと思いますが、こちらも確認しておかないと怒られてしまうので、お時間かけて申し訳ないですがご協力ください。このPPI処方は長期処方となっていますが、難治性再発性GERDか何かですか?」という感じで、いつもお気遣いありがとうございます。
地域ごとに抗菌薬使用量公表してほしいです。
これは面白いアイデアですね。個々の医師のデータでなくても、長期的に抗菌薬を減らすことにつながる可能性がありますね。結局、誰の抗菌薬使用量が多いかというのはどうでもよくて、皆が抗菌薬の適正使用を意識していれば良いのですから。
腎機能低下時、PPIをよく使いますが、よくないのですか?
H2拮抗薬と異なりPPIのほうが使いやすいです。だからこそPPIが濫用される傾向にあり、今回議題にとりあげたという経緯です。基本的には良いお薬です。ただしどんなお薬でも副作用を忘れてはなりません。
短期間のNSAID使用でもPPIは必要ですか?
数日の使用でも消化性潰瘍ができることはありますので、リスクに応じて投与するのがよいと思います。
PPIの服用で肝性脳症誘発は考えませんでした。静脈瘤破裂予防の服用も多いので目からうろこです
ここ最近報告され注目された事です。今年度の総合内科専門医試験にも出ましたが、残念ながらその出題者はこの知識を有しておられなかったようで、(多分)不適切問題となってしまいました。それだけ目新しい情報ではあるかも知れません。
処方提案の前に医師との関係性構築が重要だと思います。
有難うございます。今回の総まとめにふさわしいお言葉を有難うございます。
今後とも宜しくお願い致します。