top of page
U

群星沖縄&21世紀 適々斎塾 ジョイントセミナー@沖縄 で講演しました。

初日は 臨床推論のピットフォールケース集 徳田安春 先生 (群星沖縄臨床研修センター) で開幕です。

★60歳代男性 数か月の間、身体が動かしにくい PMRを疑う炎症なし PDでもなし →症状は四肢近位部のLimited joint mobility (LJM)だったが、Prayer's signもあり。 →血液検査で糖尿病と診断

★70歳代男性 便秘、下腹部違和感(圧痛軽微) →便秘・腹部不快感では外性器疾患も疑え →高齢者では性索捻転なくても精巣梗塞がある

★20歳代男性 うずくような持続時間の短い左前胸部痛 →Precaudial catch。 「心臓ではない」では患者の不安が取れないので、ちゃんとした説明を

★30歳代男性 右足関節痛・腫脹 無症状だが眼球結膜には充血が・・・ →Reactive arthritis

沖縄特有の感染症について レプトスピラ、糞線虫症、つつが虫病を中心に 成田 雅 先生 (県立沖縄中部病院)

沖縄観光客は939万人以上で、ハワイを超えたそうです。 ・潜伏期、10日以内にマラリアなし

・感染源はっきりしないときに考えるべき感染症:感染性心内膜炎、レプトスピラ、播種性糞線虫症、腸チフス、腹腔内膿瘍、インフルエンザ、粟粒結核、髄膜炎菌感染症。沖縄でなければレプトスピラと糞線虫症のかわりにリケッチアを入れてもよいかも。

・レプトスピラ:発見されて100年で100例報告されている。沖縄半分、それ以外が半分。1週間前に北部の川で泳いだ病歴は最大リスク。沖縄の川はとってもキレイ(リンクあり)なので、これは知らないと泳ぎたくなるよねぇ・・・。あとは雨が降った後に流行する。無治療自然治癒もあるが、びまん性肺胞出血を起こす重症例まである。経過は二相性で遅れて髄膜炎を発症することあり(八重山では無菌性髄膜炎の鑑別として必ず挙げる)。Jarisch-Herxheimer起こるのは梅毒、ボレリア症、レプトスピラがMajor。

・糞線虫症:生活背景を聴くことが大事。髄膜炎でもイレウスでも疑うべき。治療はイベルメクチンを皮下投与する方法があるが、ヒト用では市販されていない。研究のために自分の皮膚に埋めた人がいるそうです(Jpn J Exp Med. 1958 Jun;28(3):159-82.)。恐ろしや。

・ツツガムシ:東北は夏、広島は秋。福島は二刀流。人が近づくと二酸化炭素の上昇に反応し、物陰に隠れていた幼虫が這い出して来る。沖縄本島では2009年に初めて見つかった(一方、池間島±宮古島では高頻度)。商業的抗体検査では3株しか検出できないので、痂皮があればそれを遺伝子検査に。

広くて、深い知識を持った総合内科を目指して 潮平芳樹先生 (豊見城中央病院)

膠原病について多くの画像を提示しながら勉強しました。メモが追い付かなかったので、詳細は割愛します。

Cogan症候群で大動脈炎が明らかなのは12%のみとのこと(Mayo Clin Proc. 2006 Apr;81(4):483-8.)、これは後で勉強しなおします。

熱あれこれ~発熱するほど悩ましい~ 新里 敬先生 (中頭病院)

頸部~骨盤まで造影CTとっても大腿部は撮像範囲外で診断できなかった、サルモネラ骨髄炎。

発熱に伴う頭痛だから、頭痛ではないと患者さんが思い込んでいた側頭動脈炎。

様々な症例を共有して頂きました。

入院患者の6Dのスライドが出てきました。発案者としては嬉しいですね。

放置熱、残念ながらまだ多いですね・・・

日常診療で気になる胸部X線の行方 福本泰三先生 (浦添総合病院)

画像診断を基本から学びなおしました。症例ベースで対話式で行うこの型式は、深い読みもできるようになる良い学習スタイルですね。以前まで行っていた呼吸器カンファを画像カンファとして復活させたい。3月にY先生が戻ってきたら企画していきたいけど、全員が集まる時間を考えると、教育的症例を私が仲介していくシステムが効率よいのかな。またスタッフと相談します。

研修医症例から抜粋

★64歳女性 2週間で進行する発熱、頭痛、倦怠感、左前頸部腫脹 1か月前に左差し歯付近に歯肉の腫脹があった 髄液正常 血液培養陰性 CTで頸静脈内血栓→Lemiere症候群 PEARL: 日本国内の診断疑いを含む報告を43例を見ると、診断基準を見たすのは26例で、血液培養陰性でも否定はできない。 抗凝固療法は一般的に薦められているが、エビデンスがあるわけではない。

★51歳男性 発熱、皮疹、血痰

眼球結膜充血、膝関節、足関節に圧痛。左足背に紫斑。

両肺野に浸潤影ならびに多発結節影。

→GPA

★61歳女性 呼吸困難 両手指こわばり

アルコール依存症あるが精神疾患なし。

γGTP高値、低ALP?、低Mg,低K,低Caなど検査異常あり。

心電図でQT延長(ST部分が伸びているが、それよりも幅広いT波の要素が強い)とV2で異様なST上昇。

→その後たこつぼ心筋症が明確化。低Caは低Mgによる影響が疑われた。

★75歳男性 1か月続く発熱 全身倦怠感

Spiking fever、皮疹、脾腫、肝障害でStill病疑い

→悪性リンパ腫。高齢で状態悪いAOSD疑いでは除外診断をしっかり。

尿検査であって尿検査にあらず~ここにもあそこにも尿試験紙!?~ 上田剛士 (洛和会丸太町病院)

これは新シリーズです。

内容は今後は雑誌に連載予定なので、割愛します。

合言葉「こんなとき」「尿試験!」ありがとうございました。

「幸せってなんだっけ?」医師のヒュッゲな生活 山中克郎先生 (諏訪中央病院)

諏訪湖の御神渡り:初めて聞きました。湖面の氷が大音響と共に山脈のように盛り上がる。何年かに一度、最高50cm~1mもの高さで湖岸から湖岸まで数kmに渡り「氷の道」ができる光景。

Hyggeとはホッコリした幸せな時間。

様々な話がありましたが、ここで共有したいのは熟年離婚予防の5箇条「共通の趣味はご法度」「妻の日常に関心をもつ」「SNSを活用する」「夫は昼食は自炊で」「妻は料理に励む夫を子供と思いほめる」。

AI時代にやくだつ「かん」3つ。五感をみがく、勘どころ、先を見通すための観。最後については、一通りまとめようと院内で企画中ではありましたが、大切さを再実感しました。適切なキーワード、High yeildのキーワードをいかに抽出して理論展開をするかが診断推論では大切ということですね。

閲覧数:122回0件のコメント
bottom of page