「総合診療」6月号の特集は
聴診・触診×エコーで診断推論! Point-of-Care超音波(POCUS)の底力〔特別付録Web動画付き〕
近年、エコーはポケットに入る大きさとなり、「point-of-care ultrasound(POCUS)」という概念が広まってきた。POCUSでは病歴と身体所見に基づいた診断推論をもとに観察部位が絞られ、(1)体内の視覚化を通じて身体所見を補う、(2)診断推論がさらに深まる、(3)身体所見取得スキルの向上に役立つなど、診察の一部として利用できる。本特集では聴診・触診とPOCUSとの対比や組み合わせ、そしてPOCUSを含めた診断推論を通じて,診療の質向上の可能性を示したい。
です。
私の連載
I LOVE Urinalysis シンプルだけどディープな尿検査の世界
は第15回を迎えました。
タイトルは「妊婦の尿検査からわかること」
尿蛋白≧1+が2回連続、尿蛋白≧2+、高血圧と尿蛋白≧1+のいずれかがあれば、尿蛋白/クレアチニン比の測定と頻回の血圧モニタリングを行う。
蛋白尿は1+が1回出現しただけでは有意とは言えません。
尿糖陽性の意義は低いが、尿糖≧2+であれば妊娠糖尿病を疑う
尿ケトン体陽性の意義は病歴で判断する
妊娠中はインスリン分布が低下することで、ケトン体産生が亢進するため、一晩絶食にするだけで10-20%の頻度で尿ケトン体が陽性となります15。この尿ケトン体陽性の病的意義は明らかとはなっておらず、尿ケトン体をスクリーニングで用いる必要性は低いと考えられます。
無症候性細菌尿は腎盂腎炎や早期産の可能性を高めるため、治療適応と考える。
簡便性の尿定性、正確な迅速診断にはグラム染色、急がない場合は尿培養。
日本ではプライマリケア医が妊婦健診まで行うことは少ないと思いますが、一般内科医でも知っておくべき基礎知識の復習でした。