キャリアCaféでは「先輩と語る病院総合医のキャリアパス」として話をさせて頂きました。堺市立総合医療センター 総合内科 浅川 麻里とご一緒しました。
私は初期研修を3年していますし、アウトローすぎてあまり参考になるキャリアではないので詳細は割愛するとして「専門医とは手段であって目的にあらず・そこにとらわれて研修の本質を失うならば本末転倒である」という考えはその場の全体の空気としてありました。また、ほかの専門を持っていることはバックボーンとして大事ですが、一方で何か一つに長ければその分全体としてのバランスが崩れやすいことに注意が必要で、一長一短です。どちらが良いというものではないよう思います。総合医というからには、目の前の患者に対して自分ができることを一生懸命模索し、結果として得られる患者の笑顔や感謝の言葉が何よりの報酬であるというのが原点です。だから総合医の仕事は場と状況によって流動的であり、それを定めることには意味はあまりありませんし、自分が何をすべきか悩むのもさほど意味はないかも知れません。目の前の人を一生懸命見る。知らないことを調べる。笑顔を求めて勉強する。それが嬉しい、楽しい、やりがいがあるにつながる。これは哲学と同じで難しく考えると深い世界ですが、本質は常に身近な所にあるものです。
自分が患者さんを紹介するときに安心して任せられるのは「一生懸命見てくれる先生」であり、専門医であるかは調べて紹介したことは一度もない。紹介したくない先生も専門医ではない先生ではなく「すぐにキレる先生」「話を聞いてくれない先生」「あまりに多数の薬を処方する先生」で患者さんからの評判が悪い先生である。だから私はいつまでも患者に真摯に向かい合う医師でありたいと思う。
さて夕方には総合診療医のクリニカルパール(それぞれの立ち位置から)で講演しました。
座長/対談者:鈴木 富雄(大阪医科大学地域総合医療科学寄附講座/大阪医科大学附属病院総合診療科)
大学病院総合診療科でのクリニカルパール 内藤 俊夫(順天堂大学 医学部 総合診療科)
小病院における総合診療医のクリニカルパール 上田 剛士(洛和会丸太町病院 救急・総合診療科)
とって隠岐の離島医療 白石 吉彦(隠岐広域連合立隠岐島前病院長)
誰をターゲットにしてパールを言うべきか悩みましたが、指導医の先生たちに「面白いと
と言ってしまえ」という総合診療を楽しむためのパールなどをお送りしました。働く場所は違えど、同じようなことを感じ、悩み、頑張っている先生方に出会えて良い刺激を得ることができました。
なお、写真はとてもが学会に見えない写真ばかりですが、製薬会社とのCOIをできる限り減らすという努力の結果、タダ飯はなしということのようです。