導入で岡田千春先生から何でも屋ではなく、リスペクトされるマネージメント力の高い総合診療医の育成が必要で、6年目以降で原則としては2年の研修(場合によっては1年)で認定する日本病院学会の制度の説明がされました。
新専門医制度、そして病院総合医~育てよう日本病院会認定病院総合医~ 末永 裕之(一般社団法人日本病院会 副会長/小牧市民病院 病院事業管理者) 基調講演では専門医制度の概要、問題点などを解説頂きました(一部私論を含めて記述します)。 新専門医制度の導入で医師偏在是正は期待できず、病院経営には大きな影響、医局権限が強くなり、中小病院や地方での格差が広がるなどがアンケートから指摘。 専門医制度が今まで以上に権力争いの場になり下がったという風潮は研修医からもつよく、昨年度は丸太町病院も専門医制度から撤退し「本当に勉強になる研修」を優先させる決断をしました。 女性医師のキャリアの問題も触れられましたが、丸太町病院で女医さんが出産後に職場復帰したいのに行政がストップをかけたことに対して、本当に立腹してしまい、医師本人が働きたく職場もOKとしているのに働くことを許さないという権限が行政にあるのか!と怒鳴りこみに行きそうになったところを諭され、行政担当者を変えてもらい事なきを得たことを思い出してしまいました。枠組みをしっかりすればするほど、柔軟な対応力が失われるというジレンマですね。 プライマリケア、ジェネラリスト、多職種連携・管理能力といったものを区別して議論、制度整備すべき。 開業する先生は沢山いるが、地域の中小病院がつぶれたら開業医の先生も困る。だから地域の中小病院で活躍できるような病院総合医の育成が大切。さらに応募結果から判断すると病院総合医の希望者が少なく大病院・大学の維持も困難となるかも知れない。 内科専攻医は減っている。確かに現在の専門医制度では勉強したいことができないと感じる人も多いんでしょう。何とかしなければなりません。 2020年4月1日施行予定の法律が通れば、国が専門医機構に働きかけられるようになるそうです。 国も今の新専門医制度に相当な危機感を感じているということでしょうか。
病院総合医が実践する多職種協働のチーム医療と働き方改革 園田 幸生(済生会熊本病院 包括診療部 包括診療科 部長) 包括診療部としてコーディネーション、コンサルテーション、ファシリテーション、インテグレーション、マネージメント能力の5つを育成してきた。。 Cureの臓器別専門医、Careの病院総合医。 病院総合医導入により業務量軽減につながる 専門医のセカンドキャリアとして〇〇総合医があってよい
病院総合医−相澤病院での役割と位置づけ− 田内 克典(社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 病院長) 病院総合医の要件となる研修会は病院で長く働いていると受けているものが多いそうです。 うーん。私は勉強は好きですが研修会は殆ど受けてないんですよね・・・。頑張ります。 病院総合医を単なる便利屋としてではなく医師のキャリアパスとして組み入れることが大切。
病院総合医の可能性・魅力ある病院総合医(資格)とは 岡田 俊英(石川県立中央病院 院長) 必要な病棟管理への理解;診療報酬、地域連携、チーム医療、医療安全 単発的知識あっても系統的に学んだり、実践する機会が乏しいのが問題 General practinionerは2年、マネージメントコースは1年で行っているそうです。 病院総合医とは管理職を行っていく上で必要なスキルということが良くわかりました
私は「小病院における病院総合医育成の試み」というタイトルで講演しました。 いかに総合診療が面白い分野か。決して押し付けられたり、狭間診療ではないということをお伝えしました。 病院総合医の卵を育てる立場としては、検診業務、高齢者、心因性疾患、薬物中毒、アルコール中毒の診療の面白さを語れるようになることの重要性などを話しましたが、、、 ちょっとシンポジウムの意図とずれてしまってなかったが心配。
総合討論ではどのような評価・フィードバックをしているかを質問しました。 360度評価ではなく、実地面での現場での声を大事にするという意見や、360度評価に加え、客観的な数値化、Clinical indicatorの評価、経営・管理面に関する数値化などが提案されました。 360度評価が昇格審査で使われている施設、整形病棟はすべて病院総合医が管理してしまう施設などいろいろでした。 興味深かったのは患者満足度回診でトップが看護師長と共に病棟を回り、病状ではなく「眠られたか」「痛みはないか」といったCareに関する回診をしている試みでした。
病院総合医は収入面から見ても臓器別専門医からみても少ないそうで、十分な評価が得られていないそうです。 他の先生の給料なんて聞いたことないから分かりませんが、私以外は皆、病院長などの方々でしたのでそうなんでしょう。
周瑜曰く「何事も、その基は人です。人を得る国はさかんになり、人を失う国は亡びましょう。」 人民を搾取するようでは人心は離れていくという教えですが、ボーダーレスの時代ではその傾向はより顕著でしょう。 研修制度も同じです。 研修を評価するのは大学ではないし、機構でもありません。研修を受けたいと思う者により評価・選択されるのです。 最近いくつかの学会に参加して未来の医療を真剣に考えて研修制度を作ろうとしている人々に多く出会うことができました。 現在、混乱を極めている状況ではありますが、今後より良い制度に変わっていく事を願ってやみません。