JMECCの2回目を音羽病院で開催しました。
小田垣 孝雄 先生、西澤 徹 先生、お世話になりました。
急変の80%に兆しがあり、それを早期に感知して急変させないのが内科医の力の見せ所。丸太町病院単独でJMECC開催はまだ難しいですが、そういったJMECCの良いところを取り入れた院内ICLSアドバンスコース開催を視野に入れ、今回インストをして思った事や学んだこと。
・150J(360J)で放電することを経験させたほうが、待ち時間の感覚があって良い部分もある。そういうコースをしているところもあるとか。安全な除細動を意識させる点でも対象者によってはリアリティを追及した設定のほうが良いかも知れない。パドルを当てる場所に初めから金具がついていると、そこに誘導されるのでそれもリアティを失わせる要因。
・自施設の緊急コール番号はあまり知られていない。
・JMECCではBLSの時点で循環のサインがないことを確認しているので、VTの波形をみたらpulseless VTとみなしてよい。これは波形を診る時に頸動脈を触れる癖をつけてきた私にとっては驚きでした。
・ACSの対応ですべきではないとされるルーチン酸素投与。JMECCのシナリオではSpO2が90%と低めに設定してあり、絶妙な感じでルーチンでの酸素・静脈路確保・モニター装着を可能としている。
・薬剤指示は具体的にとなっているが、ノルアド0.03γといわれると看護師としては余計に混乱するので、院内のICLSアドバンスコースをするなら組成(あるいは「院内ルールのやつ」でもOK)とml/hの指示がよいのでは。
・Heimlich maneuverはハイムリッヒではなくハイムリックとJMECCでは呼ぶ。Heimlichのトリビア2つ。気胸で用いるHeimlich弁の由来は同一人物。Heimlichは1975年に動物実験から窒息から救命するこの方法を編み出したと報告(JAMA. 1975 Oct 27;234(4):398-401.)しているが、彼が初めてヒトに実践したのは2016年に96歳で亡くなるわずか半年前の事。
今年の12/13にも洛和会JMECC開催予定で、この時には丸太町病院からも何人か受講させて頂けそうです。