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尿ナトリウムについて

今月の「総合診療」

特集は「この薬だけは押さえておきたい! 総合診療医のためのSpecialist Drug 40」

専門医が病院ベースで治療していた患者を、総合診療医がプライマリ・ケア外来でフォローアップ、また外来・在宅で継続治療するケースが増えている。そこで本特集では、従来は主に専門医が用いた薬を「Specialist Drug」として40選び、総合診療医が押さえておきたいポイントに絞って解説した。相互作用一覧PDFつき。

私の連載は尿Naにについてでした。

主に低Na血症における検査について解説しました。

まずは低Na血症においては臨床所見と尿Naが非常に重要です。

尿Na>40mEq/LならSIAD、尿Na<20mEq/Lなら塩分摂取不足を疑います。

利尿剤使用時は尿Na>20mEq/LであってもFE-UA<12%ならば利尿剤による低ナトリウム血症を疑います。

詳しい人は「尿Cr/血清Cr比<140ならばFENa<0.5%かつFEurea<55%で、尿Cr/血清Cr比>140ならばFENa<0.15%でFE-Urea<45%の場合にSIADではなく塩分欠乏と診断する方法が最も優れる」ことを知っているかも知れません。

でも、私はこの基準を用いておりません。まず、残念ながらこの基準は小規模な研究によって報告されているのみで、十分な追加試験がされていないために信頼性は高くありません。また尿Cr/血清Crは連続的な値であり、2つに分けるのではなく尿Cr/血清Cr×FENaで評価すればより良い指標となるかも知れません。しかしこの数式を計算すると尿Na/血清Na×100となり、実質的に尿Naを評価しているのと大差ないからです。

また、スポット尿でNaやKの経口摂取量が推測できるとして、ガイドラインにも記載があったりするのですが、これも信頼性の低い指標なのであまり用いるべきではないと思っています。下の図を見ると、Naで50mEq(NaCl換算で3g)の誤差は珍しいものではないことが理解できると思います。

結論として、尿Na>40mEq/LならSIAD、尿Na<20mEq/Lなら塩分摂取不足。利尿剤使用時は尿Na>20mEq/LであってもFE-UA<12%ならば利尿剤による低ナトリウム血症を疑。

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