medicina(メディチーナ) 2018年 8月号 特集 もっともっとフィジカル! 黒帯級の技とパール に記事掲載されました
- U
- 2018年8月8日
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今後さらに人工知能が医療分野に普及していくのは間違いない。では、将来的に人間の医師が行う診療とは何だろうか。その1つの答えがフィジカル、つまり身体診察である。本特集では日常診療で遭遇するさまざまなケースに対し、フィジカルでいかに・どこまで迫れるかをスペシャリストが解説。“徒手空拳の医療"の魅力をお伝えする。

徒手空拳と言われると「バキ」を想像した人もいるかも知れませんが(いないか・・)、身体を鍛えることが流行っている当院総合診療科では、バキ並みの肉体をした人が一人います。彼らと先日、「IN BODY」で体脂肪率や筋肉率を測ってきました。このような評価をすることは運動を継続するモチベーションを与えてくれ、とても良い機会となりました。私も継続的な運動をしようと(少なくても今は)思いました。

さて、私の記事ですが「どこから来てるの、あなたのしびれは? 」でした。
感覚障害の原因を推定する上で、感覚障害の分布は非常に大きなヒントになる
例えば第4指の橈側と尺側で感覚障害の有無がきれいに分かれることは橈骨神経麻痺、尺骨神経麻痺の診断に非常に重要です。脳梗塞による偽性尺骨神経麻痺の報告を一通りチェックしたことがありましたが、入手できる論文の中にはこの所見で見分けられなかかった脳梗塞はありませんでした。皆無とは言いませんが稀有であることは間違いないと思います。ルーチンで頭部MRIとるよりは詳細な身体所見をとるほうが大事です。
頚椎症性神経根症頚椎症
疑ったらSpurling試験を行いますが、肩外転試験(坐位で上肢を挙上し頭部の上に置く)や頸部牽引試験(仰臥位で頸部を牽引)による疼痛改善も同様の意義があり合わせて評価したいところです。
頚椎症性脊髄症
C5・6 領域の腕橈骨筋の腱反射が消失し、かつC8領域の手指屈筋反射は亢進している逆転腕橈骨筋反射(inverted supinator reflex)が頚椎症性脊髄症を強く示唆する所見(本誌には動画で説明しているので参照ください)
病的反射としてはL4~S1より上位の障害を示唆するBabinski徴候やC8~T1より上位の障害を示唆するHoffman反射(中指をはじくと母指が内転する反射)が重要
CROSSED UPGOING TOE徴候とは仰臥位で片側の下肢を抵抗に逆らって挙上させると対側の母趾が背屈するもので、BABINSKI徴候のように錐体路徴候の一つと考えられる。
多発神経炎以外の両下肢のしびれ
多発単神経炎
腰部脊柱管狭窄症:腰痛、体位による変化(腰椎ヘルニアによるラセーグ徴候や、脊柱管狭窄症における前屈位による症状改善)は確認
ギランバレー症候群:感覚障害が乏しいと言われますが、感覚障害の自覚は実際には74%で認めるともされ、感覚障害を自覚しているからといって診断を否定してはいけません。神経障害は近位にも及びやすく、脳神経障害も併発しやすく、左右非対称性なこともあることが多発神経炎とは異なる。数日~数週で進行する下肢の感覚障害・脱力ではギランバレー症候群を鑑別に加えるべき。
他覚的な感覚障害がはっきりしなくても、血流障害、むずむず足症候群が自覚的な感覚障害を呈することはある。
両手のしびれ
脳幹病変による両側の手-口感覚症候群の報告は多数あるが、脳幹では神経線維が密なため手だけの障害のことは少なく、口の感覚障害を含むほかの合併する神経症候に注目すれば見落とすことは少ない。
脊髄病変ですが両手だけの感覚障害では脊髄空洞症が有名。初期には空洞のある脊髄領域の温痛覚を含めた表在感覚障害がある一方、振動覚や関節位置覚が保持され(解離性感覚障害)、左右差があるのが特徴。多発神経炎以外に頸髄病変を合併しやすいビタミンB12欠乏性神経障害では発症早期から上肢に症状を認めやすいのが特徴。稀に銅欠乏でも同様な病態が出現。
多発神経炎の特殊型にNon-length dependent polyneuropathy。Sjogren症候群によるものが有名ですが、自己免疫的機序による神経節障害と考えられています。靴下・手袋型に沿わない分布となり、左右対称性の事が多いですが、両上肢だけの分布もありえます。 腫瘍随伴性感覚性末梢神経障害も上肢の感覚障害で発症することがあります。
半年以内の発症、高齢男性、有痛性、上肢に症状のある多発神経炎は悪性腫瘍を除外する必要がある。
以下のうち2項目以上満たせば43%で腫瘍随伴性末梢神経障害。①61歳以上②男性③6ヶ月以内の発症④有痛性⑤発症時に上肢に症状
両側の単神経障害:両側の手根管症候群は多い
非神経疾患:過換気症候群





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