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分子構造から学ぶ➀ 薬物交差反応

分子構造を知ると分かることは沢山あります。が、文系の人は化学式アレルギーな人も多いようです。そこで見てすぐ分かるように分子構造模型を購入しました。

購入したのは見た目がきれいなことと、ある程度の忠実な模型で原子核の大きさも再現していることからモルタロウ(MOL-TALOU)を選びました。いくつか作りたいと思っている薬品がありますが、とりあえず以下の二つの分子を見比べてみてください。細長い側鎖部分が異なりますが、それ以外は両者そっくりです。この二つの薬剤はなんでしょうか? ヒントは共通部分に三つの環があること。

答えは、、、

左:カルバマゼピン

右:イミプラミン

です。

構造が似ているということは、交差反応に関連します。カルバマゼピン過敏反応が認められた患者さんでは、三環系抗うつ薬(TCA)との交差反応が起こり得ますので、可能なら投与を避けるべきです。

Ann Allergy Asthma Immunol. 2006 Nov;97(5):698-702.

このちょっとマニアックな知識を知っていた人は、もしかしたら下の書籍の読者でしょうか??(実はこの本でさらっと紹介しています)。

またカルバマゼピン中毒において、トライエージでTCAが陽性となりえることは知っておくべきでしょう。

Pediatrics. 2000 May;105(5):E66.

日救急医会誌. 2014; 25: 821-6

この事はトライエージの説明書にも実はひっそりと書かれています。

どちらの知識もカルバマゼピンが三環系抗うつ薬に構造が似ていることを覚えておけばすぐに思い出せますよね。このように薬品の構造式を知っていると便利なことが色々とあります。また別の模型を作ったら紹介したいと思います。

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