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今年も国家試験をぶっ飛ばせ!!!を開催してます。

今回のテーマは、救急で必ず出会う疾患。国家試験を題材にしたセミナーですが、研修医、勤務医、開業医にも臨床に役立つTipsが満載です。

会場はあべのハルカス25階 会議室EF。1年ぶりの素晴らしい絶景ですが、残念ながら天気は悪いです。

まずは板金広先生の「お腹が痛いんです」。循環器の先生なのにこんなに腹痛の話がスムーズにできる人も珍しいでしょう。話がまとまっていてとても分かりやすいです。

私の初日の担当は嘔吐。国試問題を題材にしつつもQBを解き続けている学生さんにとっても新しく、開業医の先生にとっても学びのあるように工夫しました。吉とでるか否かが心配ですが。

嘔吐の鑑別は系統的に。頭蓋内、前庭機能、口腔刺激、心血管系、消化管、腹腔内(肝胆膵や泌尿生殖器)、薬剤、内分泌、妊娠。それぞれのキーワードを解説しました。

心血管系リスクあれば胸痛なくても心筋梗塞除外せよ。

高齢女性の腎盂腎炎は嘔吐主訴となることあり。

嘔吐は3Mは飛び散ります。飛び交う粒子もあるのでマスクを忘れずに。

虫垂炎、移動痛が教科書的ならば 心窩部痛のみでも鑑別にあげるべきというのが実践的

低血糖、忘れちゃいけない サイアミン

乳アシで、忘れちゃいけない サイアミン

などです。

尿中シュウ酸カルシウム結晶は八面体。エチレングリコール中毒の診断に有用というネタを披露しましたら、覚え方のマンガを教えてもらいました。今後使わせてもらいます。

追記:2日目は晴れました。

髄膜炎の話。

発熱、意識障害、嘔吐、頭痛のうち2項目あれば髄膜炎は疑うべき。

羞明や小児の易刺激性も忘れてはならない。

国試の身体所見では項部硬直(小児の大泉門膨隆も?)は必発だが臨床的には自信を持てないことのほうが多い。

疑った時が検査するべきとき。髄液検査は糖比率と多核球比率が最重要。血液培養忘れずに。

グラム染色で治療が変わる。典型例は髄液からGPRでリステリア、尿からGPCで腸球菌。いずれもセフェム無効なのでペニシリンで。

生後1-3か月ではGBS、大腸菌に並んで肺炎球菌、インフルエンザ菌が出てくる。だからPCV13、Hibワクチンは生後2か月から打つんですよね。

髄膜炎の治療は1時間以内に開始したい。

胸痛の話。胸痛は病歴が最重要。一番国試対策的な話となりました。

心電図なくても国試は解ける。これはACSの4人に1人は初回心電図で診断つかないから臨床的にも大事。

胸痛患者の緊急コンサルトで病歴で疑わしい場合、救急医に心電図やエコーの結果を求める前に現場に走っていかなければ循環器医じゃないと研修医時代言われたことがある。偉大な先生方だった。採血結果まで求めるのは問題外なので国試問題も検査結果にこだわらない出題となっている。当然、不安定狭心症を診断できるのは病歴だけですしね。

国試でtPAは正解とはならない。国試でCABGとPCIの選択はさせることはない。あくまで個人的な見解としてですが。

大動脈解離はAortic painに加え、血圧左右差もしくは画像上の異常で診断させる問題となる。高血圧の既往は2/3であるが診断的価値は乏しい。30-50%で認められる合併症が重要で、様々な臓器虚血症候が認められるが、神経学的所見に注目したい。臨床的にはRCA梗塞における大動脈解離を見落とさないことが大事。

肺塞栓は国試的には無動が先行した肥満女性が圧倒的に多いが臨床的にはそうではない人も多い。循環動態と呼吸状態の両者に問題が生じるのが特徴で、それだけで確実に問題は解けるが、カルテに片側下肢腫脹と頸静脈怒張の有無を記載してなかったら私なら研修医を怒る。

心膜炎は仰臥位で増悪する疼痛で診断可能と、国試の胸痛問題は病歴だけでほぼ解ける。

とても勉強になるのでこの会はおそらく例年行われるようになると思います。学生も研修医も是非参加してみてください。

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