「在宅新療0-100」2018年9月号の特集はICTで拓く! 地域包括ケアでした。
私のお気に入りのコーナー
在宅あるある絵日記 今日も訪問日和
からは
親戚や家族よりも、患者さんとの会話時間のほうが長い・・・という現実。
でした。
毎週訪問しているとそうなるんでしょうね。患者さんの生き方が自分の一部になっている。
私の連載
在宅患者の増悪・急変を見抜く 入院を回避するための気づき,アセスメント,エビデンス (8) は「脱水から高齢者を救え」でした。
1つ取り上げるならば、経口哺水液の組成についてです。
また体液の組成と合わせてみてください。
コレラ対策に大量の下痢ではNa喪失量が多いため1975年にWHOがしょっぱいORSを作りました。その後コレラも大切だけどそれ以外の胃腸炎のほうが多く、その場合はそこまでNa喪失が多くないために2002年のORSに薄められました。これは浸透圧も下がるし味も塩辛さがましです。近い製品がOS-1ですがこれでも塩味が聞いていて正直美味しくありません。そこで普通の胃腸炎ぐらいだったらアクアライトORSのようなさらにNaが控えめの製剤がよいと思います。浸透圧も低い。ORSよりもリンゴジュース薄めたほうが予後が良いという小児でのRCTがありますが、個人的にはアクアライトORSがベストではないかと思います。試しに色々買ってみて常温で飲んでみればどれがよいのかわかると思います。
なおリンゴジュースはKが多いですがNaが少ない。一方みそ汁はNaが多いけどKが少ない。リンゴジュースとみそ汁と1:1で割ると2002年のWHO-ORSぐらいの組成になりますけど、誰も飲まないでしょうね。電解質は薄まりますが両者の浸透圧は高いので、2倍希釈のみそ汁を飲んで、2倍希釈のリンゴジュースを飲んでと交互に飲むのはアリでしょう。
発汗の場合はどうかというと、汗では電解質の喪失は多くはない。それでも水しか取らないとマラソン後の低Na血症のような状態となってしまいますから多少の電解質は必要です。それがポカリスエットやアクエリアスといったスポーツドリンクという訳です。ただし糖分多いので浸透圧高く糖尿病患者には不向き。難吸収性の糖質使用していれば下痢をしやすい。
では麦茶はどうか。これはナトリウムやカリウム少ないので電解質補充とならない。ミネラルたっぷりの麦茶という言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、これは水と比べたら多い、という事かマグネシウムは多いということかも知れません。なお、なぜ夏に大量にのむのは麦茶なのか、それはカフェインレスなのが麦茶と爽健美茶(など)だからですよね。
今回は飲み物の電解質に注目して話をしてみました(書いているうちに本文と若干ことなる内容を書いてしまいましたがお許しあれ)。