主に2018年度の症例を振り返り検討
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今回の上田賞はだれの手に??
点数=「へえ~点数」÷「プレゼン時間」で評価。
希少疾患だからといって点数が高いわけではありません。
普段から患者さんの同意を得て写真や動画を残している先生が有利となります。
昨年度は今まで極度にアドヒアランス不良な方に対して
地道に認知行動療法を行い目覚ましい効果をあげた症例が受賞。
日々の努力が報われるような採点をしたいと思っています。
ただし、採点は私の個人的な感性で行うため、努力が報われるとは限りません。
症例が多かったので今回途中で終了し、後日、後半戦を行うことになりました。
20歳代女性 両下肢が張る(pitting edema) 足/膝関節炎 手背・足背は伸筋腱がみえない Eosinophiliaあり。
Diag:Nonepisodic Angioedema with Eosinophilia(NEAE) Pearls:NEAEはeosinophilic arthritisを伴うことがある。 秋に多いのも特徴。
20歳代女性 左側腹部痛 微熱
Diag:正常妊娠 Pearls:正常妊娠の20%で腹痛がある 側腹部痛は珍しい気もするが・・・
50歳代女性 慢性的な倦怠感・微熱 採血で炎症所見なし 消耗なし 腹壁がカサカサしている。発汗すくない??
Diag:特発性後天性全身性無汗症 Pearls:炎症所見のない発熱はうつ熱を考える
30歳代男性 1日続く下肢脱力 肥満体型
Diag:周期性四肢麻痺(Basedow病) Pearls:若年者の甲状腺機能亢進症は体重増加がみられることあり、肥満体型で発汗多いのは甲状腺機能亢進症の可能性がある。 高度の低K血症による脱力は多尿で疑える可能性がある。
90歳代女性 右片側胸水 肺野異常陰影 発熱にLVFX頓服していた
Diag:肺結核、結核性胸膜炎 LVFXによるかは定かではないが、喀痰10回以上、胃液、胸水などを繰り返し検査してようやく診断に至った。 Pearls: 抗菌薬は解熱薬ではないので、このような使用法は厳に慎まなければならない。
50歳代女性 膿性痰 激しい咳嗽 H. influenzae疑う小さい(さらに小さい感じ)GNCB
Diag:百日咳 喀痰で百日咳が検出されるのは珍しいが、培養陰性で気づけた。 Pearls:喀痰からH.flu疑いでも肺炎像なければ百日咳も早期する
80歳代女性 倒れていて動けない CRBB+aVRでST上昇
Diag:LMT病変
60歳代男性 4-5年前から階段上り下りができなくなった 四肢脱力+下肢がつっぱる Inverted reflexあり
Diag:頚椎症性脊髄症 Pearls:Inverted reflexは脊髄病変を強く示唆する
20歳代女性 意識障害 暴れている 2週間ぐらいで支離滅裂に 口唇ジスキネジアあり
Diag:NMDA脳炎(奇形腫関連) Pearls:自動症は側頭葉→辺縁系脳炎を示唆した
80歳代男性 両下肢脱力 腹部に拍動性腫瘤 下肢血流悪い
Diag:Leriche症候群(陰萎は確認できていないが)
90歳代女性 呼吸不全 大腿骨頚部骨折で入院後数時間で発症 意識障害も伴う 頭部MRIで分水嶺に多発する小梗塞疑い
Diag:脂肪塞栓 Pearls:発症時間が早い、意識障害伴えば肺塞栓より脂肪塞栓を疑う 頸部骨折でも脂肪塞栓無いわけではないが、重症度から違和感をもって診察しなおすと脛骨骨折発見
30歳代女性 急性の右鼠径部痛×2人 大腿直筋 近位部にMRIで炎症あり NSAIDsで軽快
Diag:筋損傷 r/o 限局性筋炎
70歳代女性 腰痛 両下肢麻痺 Babinski陽性 左胸部より遠位に感覚脱失 エコーでは大動脈に問題はない
Diag:脊柱管硬膜下血腫 硬膜外血腫ならわかるが、特発性の硬膜下血腫は珍しい。 CTでの血腫の形態ならびに髄液のCT値が高いことから疑うことはできるが。