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広島大学で学部1年生に講義しました

出身ではないのですが広島大学とご縁があり広島大学病院総合内科・総合診療科の客員准教授として頂いております。その関係で毎年学生の講義をしています。

お題は医学とコミュニケーション。

毎年雑多な事を話していますが、今年は意外な部分に食いつかれました。

・食事指導の話で糖質 4 kcal/g、蛋白 4 kcal/g、脂質 9 kcal/g。これは小学校で習うこと。ではアルコールは?

答えは 7 kcal/g。これが主なエネルギー源の方々もいます。ただし大量に摂取すれば吸収不良起こしたり、交感神経刺激やアルコール分解のためにいわゆる「エンプティ・カロリー」となり、やせてしまいますが。

また、脂肪は9kcal /g と言いながら、体重が減るときには脂肪組織の水分なども踏まえると7kcal/gとなります。1日のカロリー摂取量を250kcal減らすのを28日間続ければ、7000kcalとなり、1㎏体重が減ることになります。だからダイエットでは250kcalがどのぐらいなのかを知っておくと良い。

また人の価値観の多様性と許容力の大きさが、人間の大きさであるという話をしました。それに対して、「私は褒められることが死ぬほど嫌いである」という意見を頂きました。これは多様性があるとはいえ珍しいご意見ですね。褒められる事が嫌いにも関わらず反社会的行動をとらずに成長することは困難な道程だったのではないかと思います。真意は分かりませんが「上辺で褒められること」を毛嫌いしたご意見ではないかと思います。この点は良好なコミュニケーションをとる上で実際には非常に重要な事です。よく「共感」と言われますが、安易な「共感」は「同情」と捉えられてしまうことがあります。よく話を聞いた上で自分自身が納得した部分に「共感」するのが正解です。病気に罹った事を同情するのは医師がすべきことではなく、実際に困っている具体的な症状に関して理解し共感することが必要です。理解ない共感はありません。

褒めることも同じです。受療行動などを褒めることは客観的事実として良い方向に物事が進んでいることを述べているだけであり、おべっかでは決してありません。それを拡大して「貴方はとにかく素晴らしいです」というとおかしなことになりますが。褒めるとは良い事実を抜き出して育てることであり、悪い事実を解釈を曲げて表現するのは嫌味です。言葉にすると難しいですが、言われた人の気持ちになれば、さほど難しくありません。

「優しさとは、他の人の立場や気持ちを考える 想像力である」

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