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北九州高齢者薬物療法研究会 第4回講演会

 北九州は薬剤師と医師の連携が非常に良好であり素晴らしい会でした。専門分化が進み薬剤の種類がますます増加している事もあり、残念ながら医師主導ではポリファーマシーの解決は困難な状態となっています。私は「医師と薬剤師でポリファーマシーをやっつけろ」を話しました。

「意図不明な薬剤は毒物」ですが、どんな医者だって悪意をもって処方をすることは決してありません。様々な心理的背景、社会的背景、患者のこだわり、他疾患罹患に関するガイドライン不在などいろいろな要因を考える必要があります。今回はそんな話をしました。

 日本老年医学会から一般向けパンフレット「多すぎる薬と副作用」がありますが、もっと具体的に個別化した冊子づくりをしたいと考えています。開業医の先生ですでに取り掛かっている先生にも出会えたのは収穫でした。

↑ 後で気づきましたが、パンフレットは草案しか残していなかったのでタイトルが違いますね・・・。

平川 亘先生は「明日から役立つ 認知症のかんたん診断と治療」をお話しいただきました。拝聴するのは二度目でしたが勉強になりました。

・画像で認知症の病型分類をするな。DLB、FTLDを臨床的にまず除外する。

・前頭葉徴候(FTLD)あればAchEは逆効果

・DLBはAchも下がってすべてが低レベルでバランスとってる。だから効果あるけど過敏性もある。DOPA下がるのでピサの斜塔やREM睡眠行動障害がでる。

・若年ADはAchEの効果がない

・ADに手指模倣が感度高く、時計絵画の特異度が高い。指はOK・キツネ・キツネの耳をあわせる・右手だけ180°回してもう一度あわせる。

・空間認知に問題があれば側方から介助しても効果乏しい。正対して接するべし。

・臨床試験では治療量を完遂できた人の解析。実際には非常に反応の良い一群あり、少量で治療しないと良くない人がいる。むしろ治療反応性からはこれらの患者群のほうが恩恵は大きい。

・AchE過量投与の動画は衝撃的ですね。みんな中止で劇的改善。足腰弱くなるのは潜在性に多いと思いました。

・レミニールは無気力起こす事あり。

・リバスチグミンの臨床的印象は良好だが、4.5㎎までにとどめる(1.125・2.5mgつまり一番小さいものの半分かさらに半分から開始)。視床・脚橋被蓋核、網様体賦活系への影響?

・認知症軽度で歩行障害が目立つDLBがある。リバスチグミンで改善。30分で効果わかることも。

・せん妄にリバスチグミンが効果ある症例がある。Lancet. 2010 Nov 27;376(9755):1829-37.では無効で死亡率高めるリスクが報告されているので、どう使うかは難しいところですね。

・動画がとってもわかりやすかったです。これらの動画欲しいなあ。当院では動画撮影するとしても診察室には自分しかいないことが多いので、外来の診察風景を撮影するのはなかなか難しいんですよね・・。

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