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胸骨が痛いときは何を考える?

総合診療 2019年 5月号 特集は

一般外来で診断できたら「えっへん! 」な疾患38

でした。

私が連載している「 胸腹痛をきたす“壁” 」に関連するものが、38疾患中なんと6疾患!

やっぱり重要な疾患群と認識されているようで、連載企画をしていて良かったと思いました。

紹介するのは連載の内容から。

胸鎖関節が痛む場合に特に考えるべき疾患として、SAPHO症候群、化膿性関節炎、特発性胸鎖関節脱臼の3つを取り合げました。SAPHO症候群に関しては Synovitis(滑膜炎)、Acne(ざ瘡)、Pustulosis/ Psoriasis(膿疱症/尋常性乾癬)、Hyperostosis(骨化過剰症)、Osteitis(骨炎) と記載していますが、掌蹠膿疱症だけではなく尋常性乾癬の皮疹を探す必要があることを意図しました。また図をよくよく見るとSAPHO症候群では下顎骨病変を伴いやすいことに気づかれるかも知れません。

胸骨自体の圧痛は正常範囲、非外傷性の骨折、骨髄占拠性疾患の3つを取り上げました。正常範囲というのは意識障害患者で胸骨を圧迫することがあることから分かるように、胸骨は疼痛閾値が低く、弁慶の泣き所よりも痛みやすいという論文があります。非外傷性の骨折と言うのは高齢者の脊椎圧迫骨折に続発する骨折です。無症候性の圧迫骨折に続発すると、胸骨骨折という鑑別を想起するのは難しいかも知れませんが、自験例でも数例ほどありReviewも出版されている病態ですので知っておくべき病態と思います。骨髄占拠性疾患に関しては、マルクをする前のちょっとした診察手技として利用してみてはどうでしょうか?

剣状突起に圧痛がある場合は、腹腔内圧が上昇する病態(妊娠、腹水、体重増加、いきみ動作)を想起する必要があります。

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