適々斎塾の元となったJAMEPの総合診療スキルアップセミナー。もう15年目になるようです。
岩手から島根まで参加者の施設は様々。ここまで広く受講生を集められるのはさすがです。
今回の私のお題は「最初は風邪と思ったけど違った」シリーズ。
まずは感冒患者の鼻水から抽出したウイルスを被検者に移植して、症状を観察した1950年代の研究から( AMA Arch Intern Med. 1958 Feb;101(2):267-78. )。
風邪の兆しは、倦怠感・頭重感・くしゃみ。
咽頭痛・発熱出現すれば本格的な風邪。
鼻水は遅れて、咳はさらに遅れてpeak。
膿性鼻汁は細菌感染を示唆しないし、3週間までの咳嗽はさほど気にしない。
この典型的な感冒の経過と異なる幅広い疾患を取り上げましたが、鑑別をしっかりしてくるあたりはさすが猛者が集まる会でした。
最後の「稀だがHigh Yieldな所見を有する症例」については、院内でもちょっとマニアックすぎるんじゃないか、との批評がありましたが、やはり誰も当てることができなかった。でもこれについて記述されている書籍も2つは見つけたし、知っていて良いと思うんですよね。
答えはあえて言わずに、いくつかの講演会でご意見を伺ってみようと思います。
このJAMEPでは毎年、初期研修医を対象に基本的臨床能力評価試験を行っています。昨年度は全国から503病院が参加したそうですが、丸太町病院の成績が良かったそうで、研修制度についての講演を追加で打診されましたが、その予定日は先約が・・・。残念です。優秀な研修医に恵まれたことを有り難く思います。