sp:feature:cs-optimization Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.7 No.1 2019(特集:外来マネジメント)に記事が掲載されました。
しびれは奥深い世界ですが、まずはコモンな絞扼性神経障害に深く踏み込みました。
内容が多いので、説明はかなり端折ります。詳しくは本文をお読みください<(_ _)>。
手根管症候群だけでは面白くないと思うので、今回は様々な絞扼性神経障害に言及しています。
手根管症候群かどうかは感覚障害の分布が大事。環指の橈側と尺側で感覚の違いをみる。神経支配にはNormal variantsがありますが、これはやはり一番大事と思います。
もう一つ手根管症候群の診断に重要なのは母趾外転筋力。母指球萎縮あったら手術考える。
手根管症候群以外の正中神経障害について。円回内筋症候群は前腕の反復運動で誘発する感覚メインの症状で、母指球までしびれるのが違う。
前骨間神経障害は運動枝の障害なのでOKサインをつくらせたら「しずく」型になるのが特徴だが、感覚は障害されない。
尺骨神経麻痺は鷲手とか小指離れるWartenberg徴候とかが有名。Froment徴候も覚えておきましょう。
障害部位は2カ所。肘部管症候群は肘うって、前腕がシビレルあれですね。
誘発方法は上肢をZにさせる方法があります。
一方、Guyon管症候群はより末梢での障害で、手背に感覚障害が来ないことが鑑別点。
次は橈骨神経麻痺。固有領域とDrop wristという典型例のコンビネーション。困ったことに中枢性の偽性単神経麻痺で一番多いです(偽性尺骨神経麻痺の報告も多いですが、環指で多くはおかしいことに気づく)。
上腕で障害されるSaturday night palsyが有名ですが、前腕部で障害されるのもあります。この場合は感覚障害はなく、Drop fingerになります。
外側大腿皮神経の障害は体重変化を確認しておきたい。骨盤を側方から圧迫して症状改善すれば末梢性という証拠になる。
腓骨神経麻痺は術後などでみかけます。Drop foot+下図の感覚障害分布。大腿外転筋力低下があれば中枢性。
足根管症候群は内側足底神経の障害。
下図で誘発。
多発神経炎では「WHEN」「WHAT」「WHERE」「WHAT SETTING」の4Hが鑑別する上で重要です。
最後にCIAP(Chronic Idiopathic Axonal Polyneuropathy)について言及しました。
臨床的にはこういったグレーゾーンをどのように扱うかが一番困るからです。
INTENSIVISTといい、HOSPITALISTといい、この雑誌は一つの記事のボリュームが多いので、書きごたえがあります。とても勉強になりました。
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