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Cheyne-Stokes呼吸について考えてみた

執筆者の写真: YY

2024年10月26日に適々斎塾で高齢者の発熱についてと、Cheyne-Stokes呼吸について講演しました。

Cheyne-Stokes呼吸については今まで講演したことが無かったので紹介。

その機序はいくつかありますが、CO2溜まると分時換気量増えると言う調節が、心拍出量が低下すると間に合わなくなり、揺らぎが生じると言うものが機序の一つです。

•呼吸の調節には、化学調節系(PaCO2、ノンレム睡眠、気道閉塞圧(P0.1)と関連)、行動調節系(情動に関連、レム睡眠)、神経調節系(換気運動、肺水腫では肺実質のC線維終末を介する)が関係しています。OSAと異なり、CSRはレム睡眠時に改善することは睡眠医学では重要な事です。

体位によってCSRはどうなるか、PCWP、COのどちらと関連がつよいのか、右心不全ではどうかなどを検証しました。結論としては、肺疾患に伴う右心不全では

CO低下は軽微なためCSRとはなりません。COPD+CSRであれば左心不全合併を疑ったほうが良いです。もし、右心負荷+CSRであればCOが低下する肺動脈疾患(肺塞栓症や原発性肺高血圧症)を疑います。なお、高地では低酸素起因性肺高血圧により健常者でもCSRが生じます。

CSR自体が有害かは疑問あり。CSRは睡眠時無呼吸症候群の亜系であり、原因除去・CPAPが治療の中心となります。

CSRは大脳半球病変を示唆するという報告もありますが、脳幹障害でも網様体腑活系障害を介する大脳機能低下で結局CSRは生じるため、中枢神経病変部位同定は困難です。ただし亜急性に進行する高度の大脳半球障害としてCJDの指標として使われることがあります。

また、CSRでは交感神経緊張に伴い、瞳孔径が変化するのも興味深く、そのことで中枢神経病変に気づけた症例報告も紹介しました。


 
 
 

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