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DKA/HHS論文第3弾:DKA/HHSではPCTの値に振り回されないように

DKA/HHSの症例を771例集めて解析した多施設研究{The effeCt of fLuid therapy On kidney function in hypeRglycemIc emergeNciEs. A multicenter retrospective STUDY (CLORINE STUDY)}に以前、参加させて頂いておりました。これだけの数を集めた研究は国外でも少なく、重要な報告の末席に加えて頂いたことを嬉しく思います。

同じレジストリーで、追加解析した論文が以下のものです。生食とリンゲル液のいずれが優れるかを示すことまでは解析できませんでしたが、補液量(Cl負荷)が多かった群は入院時重症度が高かったが、生食やRinger補液を適切に行うことで急性腎障害から回復したという内容です。

そして第3弾の報告が5月25日にされていましたが、このブログ更新が遅れましたので今更ながら紹介します。

今回の報告ではDKA/HHSでは肺炎と尿路感染症が多く、菌血症がある場合は予後不良であることが示されました。そのことは自明と言えば自明ですが、個人的に興味深いと思った解析結果としては、CRPはプロカルシトニン(PCT)よりも細菌感染症や菌血症の診断に有用という結果でした。

今回の報告では、PCTの測定されている症例が少ないこと、施設によってはPCTは迅速性に劣るためCRPのみが細菌感染の根拠として使われた(交絡因子となっている)可能性があることなどの問題点はあるものの、高血糖状態では炎症性サイトカインが誘発され、プロカルシトニンの診断特性が下がるという報告もあり、あながち間違った解析結果かも知れません。たとえばDiabetic footの感染の診断においてPCTはCRPとくらべて同等かもしくは劣るんじゃないか?ということが報告されています(PMID: 32342934、PMID:38566503 )。

結論を出すには時期尚早ですが、特にDKA/HHSではPCTの値に振り回されないように注意が必要であるとは言えそうです。



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