総合診療の10月号の特徴
ポリファーマシーを回避する!エビデンスに基づく非薬物療法のススメ の執筆に丸太町病院のメンバーがだいぶ携わりました。
酒見先生のお声がけで、
現役メンバーからは
発熱 米本 仁史
慢性疼痛 上田 剛士
めまい・立ちくらみ 西村 康裕
高血圧症 丸山 尊
COPD 阿部 昌文
胃食道逆流症(GERD) 溝畑 宏一
卒業生からは
不眠症 重島 祐介
抑うつ・不安 井本 博之
急性上気道炎 長野 広之
脂質異常症 来住 知美
高尿酸血症 三野 大地
骨粗鬆症 坂 正明
月経前症候群、更年期障害 中山 明子
の各先生方に参画頂きました。その他、幾人かの外部の先生にもお手伝いをお願い致しました。
お陰様で今までにはない内容でまとめることができたと思います。
例えば慢性疼痛の話です。
慢性腰痛症にプレガバリンやガバペンチンが処方されていたら「え?」と思うべし。デュロキセチンでも「ん?」と思った方がよい。効果ある症例もあるでしょう。しかし効果判定なくして漫然と続けるべき薬剤では決してありません。
では何をすべきか。長期的な疼痛緩和が最も期待できるのは運動療法。ヨガは少なくとも短期的には有効性が高い。疼痛と上手く付き合いながらADLやQOLを向上させるには認知行動療法が期待される。
コルセット装着を積極的に薦めることはないが、運動強度を高めるために必要に応じてコルセット装着することは合理的。
頭痛や頸部痛。まず生活指導として不規則な生活やスマートフォンの長時間使用など肩こり・首こり・眼精疲労の誘因を避け、禁煙指導を行う。緊張型頭痛や肩こりに対しての頸部や肩の運動やストレッチが有効であることは理解に容易いが、全身の有酸素運動が片頭痛にも緊張型頭痛にも有用である。
肩関節周囲炎(五十肩)。まずは患者自身できる運動療法(ストレッチと振子運動など)を薦める。
変形性膝関節症は慢性腰痛症と比して非薬物療法の効果はあまり期待できないが、それでも運動療法は行う価値が高い。
肥満患者には減量指導。機能的膝外反装具や膝サポーターは即効性があるため、運動療法の補助として用いると相乗効果が期待できる。
線維筋痛症。慢性疼痛に対する非薬物療法で中核的な役割を占める運動療法も軽度かつ中期までの効果しか期待できない。運動の中でも気功や太極拳は理にかなっており短期的な成績は良好であるが、長期的なデータはない。一方、マインドフルネスは無効であり、心理療法を行うならば認知行動療法を行う。線維筋痛症には有効なものが少ないため、鍼治療の役割が相対的に大きい。
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