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お餅をのどに詰まらせた

更新日:2021年5月1日

今月の総合診療の特集は「消化器診療“虎の巻” あなたの切実なギモンにズバリ答えます!」です。


本特集では、日常臨床で誰しもが悩む(であろう)消化器診療の26のギモンを用意しました。今回具体的なギモンを挙げてくれたのは、日々、内科外来や救急のフロントラインで多くの患者さんに向き合う後期研修医の皆さんです。これらのギモンに対して、総合内科のバックグラウンドを持ちながら日々消化器病診療に携わっておられる先生方、そして、ポリファーマシー対策に日々尽力されている薬剤師の先生にご回答をお願いしました・・・。


さて、Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?|は13回目となりました。

今回のテーマは「お餅をのどに詰まらせた」です。


l 高齢者の窒息は摂取する食事形態が比較的保たれている方に起こりやすい(誤嚥とは違う)。

l パーキンソン病患者では特に窒息が起こりやすい。



l 餅は最も窒息を起こしやすい食品として知られ、状況に応じて代替品として餅様食品を薦めると良い。

毎年正月のERには餅で窒息CPAが搬送されている。嚥下食ピラミッドL4(介護職・移行食)に相当する「さっくりお餅®」はおすすめ。

こんにゃく入りゼリーは小児が窒息したので大きな社会現象となり海外でも規制が厳しいが、餅のほうが断然危険なのだ。

 佐賀県には「餅すすり」、山形県には「餅飲み」という文化があるが、Youtubeで見ると恐くなる風景です。


l 伊丹十三監督の映画「タンポポ(1985年)」では餅を詰まらせた老人を掃除機で救うシーンがあり、映画「ミセス・ダウト(1993年)」では高齢女性の家政婦に扮したロビン・ウィリアムズが見事なハイムリック法を披露しているが、現実は映画のようには上手くいかないことも多い(掃除機は医学的に薦められる方法ではないし、おばあちゃんがハイムリック法を行うのは困難)。咳を促し、背中を叩き、救急車を呼ぶことは誰にでもできる窒息への対応法である。


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