一般内科医が知っておくべき災害のこと ~災害時に増加する心血管疾患と感染症リスク~
- Y
- 12 時間前
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2025年6月7日に災害医療に関する講演をさせていただきました。京都を中心に200名以上の方にお申し込みいただき、「いつ自分の身に降りかかるかわからない」と感じるテーマであり、関心の高さを実感しました。


内容は以下の通りです。
急性冠症候群(ACS) 災害後の心血管系疾患の中でも特に重要であり、特に発災後数週間は注意が必要です。震災初日には高齢女性を中心にたこつぼ型心筋症が増加しますが、ACSの除外診断が重要です。
肺塞栓症 発災後48時間以降に高頻度に発生します。車中泊が最大のリスク要因ですが、排泄や飲水を控える女性にも注意が必要です。避難所の環境整備が極めて重要です。

震災後の生活習慣指導 禁煙を含めた生活習慣の指導により、健康障害の予防が求められます。
感染症リスク 集団生活、不衛生環境、野外活動、外傷などによりさまざまな感染症のリスクが高まります。特に中高年者で開口障害がある場合は破傷風を疑います。

肺炎 高齢者では誤嚥性肺炎が多く、口腔ケアの重要性を再認識すべきです。
洪水や津波後の特殊な肺炎 洪水後にはレジオネラ肺炎、津波肺では脳膿瘍を伴いやすいスケドスポリウム肺炎が問題となり得ます。

真夏の災害時の感染症 発熱に加え、筋痛または結膜充血があればレプトスピラ症を念頭に置く必要があります。
暖かい季節の山間部での発熱と皮疹 リケッチア症(ツツガムシ病や日本紅斑熱など)を考慮します。

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