普段は医療関係者に向けて情報発信していることが多く、一般紙の広報はしていないのですが、この数カ月で3つの一般紙に記事を掲載頂いたので簡単に紹介させて頂きます。
発見上手(三井住友トラストウェルスパートナーズ株式会社)。インターネット情報によると9万部以上の部数があるそうです。
ここではどのような「めまい」があれば病院受診すべきかを解説しました。また、間欠的なめまいの場合、BPPVが疑われたりしますが、眼振が診断に重要になるため、スマートフォンで眼振があるかどうかを撮影してはどうかと提案しました。某総合診療科教授は自分のBPPVの動画を撮影していて、とても分かりやすかったことをヒントに致しました。また当院では眼振の客観的な証拠を残すためにスマートフォンを用いて動画撮影することは一般的となっています。
週刊現代 2019年2月9日号
[医療大特集] ◆たいしたことないと放置する人が多いが ・この「しびれ」、この「むくみ」、この「かゆみ」 実は死の始まりです ・下肢静脈瘤を放置していませんか ・夜、足がつるのには理由がある
普段週刊誌を読まないので知りませんでしたが、週刊誌のタイトルってすごいですね。二度見してしまいます。
ここでは多数の医師の意見が記載されており、私が強調した項目は他の医師のコメントとの兼ね合いで実はほとんど記述されていません(広いテーマを与えられるとあらゆる病気を想定できるのが総合診療科の強みですが、この場合はそれが仇となりテーマを絞ることができない)。しかし、骨粗鬆症で第1選択であるビスホスホネート製剤を用いる場合は口腔内衛生状態に気を付ける事、最近使われるようになったSGLT2阻害薬はSick dayで休薬しないと血糖正常でもケトアシドーシス起こること、PPIなど安全性が高いとされていた薬剤でも発売後年数が経過してから様々な副作用が報告されており、新規薬剤は可能性と共に危険性を持っていると認識すべきことは書いて頂けました。
女性セブン 4/11号
生死を分ける「病気のはじまり」 その肩こり かゆみ しびれ むくみは死のサインです!
これも恐ろしいタイトルが付けられていますね。
風邪などの一過性の病態と受診すべき疾患との見極めにおいて、3週間続くというのが1つの目安となります。咳嗽3週間で遷延性咳嗽と呼ばれますし、耳閉感や口内炎が3週間続けば悪性腫瘍除外が必要となる一つの目安です。
週刊誌では、専門用語を避けること、語数の制限がかなり厳しい事、端的な表現を求められること、から不正確な情報となりやすいことに注意が必要と思いました。その一方で、一般人に対して正しい医療知識を伝えるためには、これらの条件をクリアした表現を用いるように、普段から我々は意識していかなければならないとも思いました。
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