1月の総合診療は 特別増大特集「新型コロナウイルス・パンデミック 今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来」でした。
これは興味を持たざるを得ないですね。
私の連載は「欠伸(あくび)は伝播する?」です。
医学的にはcontagious yawningとして知られるこの現象、共感の表現型の1つであり社会的コミュニケーションツールであると考えられます。
2歳の子供は母親の欠伸が伝播しません。4歳になると伝播するようになります。欠伸の映像を見せるだけで伝播するのは5歳、欠伸の音声だけで伝播するのは6歳からです(個人差はあります)。子供において社会性を獲得していく過程が、欠伸伝播からもうかがえるのですね。物語を聞いたり、想像するだけでも欠伸が起こることは少なくても小学校入学以降でしょう。
少なくてもチンパンジーやイヌのように社会性の高い動物でも欠伸が伝播することが分かっています。オオカミなどの研究データを参考にすれば、自分の欠伸が飼い犬に伝播すれば、自分が目上として認められていることを示唆していると言えそうです。
一方、共感することが不得手な自閉症患者には欠伸が伝播し難いことが知られています。
貴方は欠伸がうつったことがありますか? 欠伸をうつしたことがありますか? それだけで自分と社会とのつながりが見えてくる、のかも?知れません。
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