2023年10月から洛和会のラジオ番組がKBS京都ラジオで始まりました。最初の2回は当院院長が洛和会丸太町病院について解説してくれたそうです。私は「総合診療」って何?ということを話しました。
パーソナリティーを務める井上さんは看護師でもあるそうで、とても話がしやすかったです。
総合診療とは、単一の臓器を専門とする訳ではなく、「貴方自身」を専門とする分野である、とよく言われますが、ちょっと分かりにくいので、私は以下のような例えをしています。
真の日本料理を食べたいなら、日本料理屋に行けばよい。イタリア料理が食べたいならイタリア料理屋に行けばよい。それは素晴らしい料理を提供してくれるだろう。でも、私が目指しているのは「おふくろ料理」なのだ。確かにプロの料理には劣るかも知れない。でも、お腹が空いた時にいつも料理を用意してくれた母親。私の健康を考えて、注文してもいない野菜を一緒に出してくた母親。その日の体調やイベントまで考えてメニューを考えてくれた母親。そんな母親こそ、自分にとって最高の料理人ではないかと、私は思うのです。
ここでは、おふくろ料理が最高という表現をしていますが、実際には私は外食が好きですし、そもそもどちらが優れているかを競い合うものでもないと思います。
家庭料理をする人は一流の料理人を尊敬しています。一流の料理人も「おふくろ料理」をバカにすることは無く、むしろ家庭料理をする人にアドバイスをくれます。両者は敵対する関係ではありません。食事を食べる人はその人の好み、都合等でその食事をするのに、より良い方を選択すれば良いだけの話です。
総合診療と既存の専門医も同じです。我々は既存の専門医と対立する関係にはありません。特に現在の丸太町病院では総合診療と各専門家とのコラボレーションが非常に良好であり、総合診療の在り方を探るために視察に来られる先生方もいます。
さあ、今日の夕食はおふくろ料理にしますか? それとも外食にしますか?
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